議会活動

平成30年3月定例会議

平成30年3月定例会一般質問

1 NARITAみらいプラン実施計画について

(1)第3次実施計画について

(2)第3次実施計画における財政計画について

(3)施策体系別計画事業について

(4)公設地方卸売市場特別会計について

 

一般質問の内容

◆雨宮 真吾

 皆さん、こんにちは。政友クラブの雨宮真吾でございます。ただいまより、成田市議会会議規則62条2項の規定により、議長に対して通告し受理された内容のとおり質問させていただきます。

 地方公共団体の財務の一切は、その全てが公表され、かつ住民の総意による民主的統制に服するものでなければなりません。地方自治法が、地方公共団体の一切の収入及び支出を全て予算に編入させ、議会の議決を経なければならないとした、いわゆる総計予算主義をとったのは、地方公共団体の予算は、その活動を財政面から明示する行政計画であるがゆえんであります。

 ですが、地方公共団体の予算といえども、無からこれをつくり出すことはできません。とりわけ今日のように、人々の生活が高度に文化的なものになった反面、産業の高度化に伴い社会リスクが増大することにより、行政サービスが拡大し、時にこれが行き過ぎに及ぶことがあったとしても、それは人々の生活様式が変化したことによる必然の帰結と言えると思います。

 だからこそ、地方公共団体の仕事は、その必要な範囲を限定しつつ際限のない行政依存に歯どめをかけるべく、自治体みずから絶えずこれを見直す必要があると考えます。そのみずからの守備範囲を見直した財政上の行政計画こそが予算にほかなりませんが、一般市民にはなじみの薄いものであることから、予算を示したとしても、当然に市民の理解が得られるかどうかはわからず、そこで自治体はそれぞれ創意工夫を凝らし、一般市民にもわかりやすい形で行政計画を策定し、これを公表することで市民の理解と協力を求めています。

 本市においても、成田市市政に係る重要な計画の議決等に関する条例の制定により、重要な行政計画においては、まず議会への議決、報告を旨としてきました。さらには、必要に応じてパブリックコメントを行い、市民の意見が計画へ反映できる機会を確保してきたところであり、あわせて市のホームページを通じて、市の立案した各種行政計画について、市民が容易に入手できる環境を整えてきたことを評価するものであります。

 さて、その本市の行政計画は、総合計画NARITAみらいプランをまちづくりの最上位に位置づけています。この総合計画は、基本構想、基本計画、実施計画といった三層構造として策定されており、おのおのの役割やその策定周期については、本計画策定に携わった執行部の皆さんの前では、もはや論ずる必要もないと思います。

 さて、総合計画を構成する基本構想、基本計画、実施計画のうち、最も重要なものが実施計画であることは疑うまでもありません。だからこそ、その策定周期は、最も短い3年間となっているわけであります。

 現在、NARITAみらいプラン実施計画は第3次計画まで策定され、本計画が最新の計画となっております。また昨年末には、第1次計画の進捗状況報告書も市民に公表・報告されております。さらには、これら進捗状況や計画策定内容が基礎となって編成される新年度の当初予算が、今回の議会で最も重要な議案となります。そこで今議会での一般質問はNARITAみらいプラン実施計画第3次計画をテーマとすることで、実施計画の正当性や評価についてただしてまいります。

 大項目の1点目として、第3次実施計画について。

 まず、計画期間を3年間とし、計画の実行性を高めるため、最新の国県の動向や本市の財政状況、事業の進捗状況などを勘案し、毎年度ローリング作業を行い、今後の予算編成作業の指針とするとしていますが、第3次計画で立案した各事業で、平成30年度より実施されるものについては、漏れなく当初予算に計上されているとの理解でいいのか伺いたいと思います。

 次に、計画に記載されている最新の国県の動向とは一体何か伺います。第3次実施計画において、この最新の国県の動向が勘案された事業施策があれば、それを例に具体的な説明を求めます。
 次に、第1次実施計画の進捗状況報告書が市民向けに公表・報告されていますが、この進捗状況の結果についても、その内容によっては、第2次・第3次実施計画の軌道修正が求められるものになると思慮いたしますが、その場合、該当する事業にあっては、やはり当然に平成30年度予算に計上されているのか伺います。

 大項目の2点目として、第3次実施計画における財政計画について伺います。

 まず、予算規模表における特別会計、公設地方卸売市場の額については、随分と額の上下が激しいように見受けられますが、新市場移転再整備との関連性など、その理由について伺います。

 次に、歳入表における市債額が平成32年度に大きく増加していますが、その内訳と、その増額の主たる要因について伺いたいと思います。

 次に、市税において、第1次・第2次実施計画では、個人税はおおむね76億円台を推移していたにもかかわらず、第3次計画では80億円台となっています。また、第3次実施計画の法人税は、逆に減少するとの見立てがなされております。個人税が増収され、法人税が減収になると見込んだ、具体的な算出根拠を求めます。

 次に、歳出において、総務費及び土木費が減少する理由及び衛生費及び教育費が増加するとしている内訳と根拠について説明を求めます。

 次に、施策体系別事業費において、本市はその実施するとしていた施策を6つにグループ化していますが、その構成比を見ると、第1次から第3次実施計画までほとんど変化がありませんが、変化せずとした理由について、まず伺います。また、最も多くの構成比を持つ「健康で笑顔あふれ、共に支え合う社会をつくる」という施策が、最重要施策と考えて差し支えがないのか。あわせて、本施策を本市の最重要施策と位置づけた理由について説明を求めます。

 次に、大項目の3点目として、施策体系別計画事業について伺います。

 まず、「安全・安心でうるおいのある生活環境をつくる」施策のうち、空家等対策推進事業において、空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されて、はや3年がたとうとしておりますが、本法を活用した空き家対策について、市の取り組み状況と、また第3次計画で企画された空き家バンク創設との関連性についても説明を求めます。

 次に、同じく「安全・安心でうるおいのある生活環境をつくる」施策のうち、廃棄物処理施設長寿命化計画作成について、八富成田斎場は計画を策定するにあわせて改修工事を行う計画が立てられておりますが、浄化センターとリサイクルプラザにあっては、早急に改修工事を行わなくても支障はないのか伺います。あわせて老朽化が進行するとの表記について、どの程度の老朽化なのかについても伺います。

 同じく「安全・安心でうるおいのある生活環境をつくる施策」のうち、災害廃棄物処理計画策定について、強靱な廃棄物処理体制の整備を図るためとその理由を説明しておりますが、そもそも現況の施設であっても過剰処理状態であるにもかかわらず、係る目標が達成できると判断した理由について伺います。

 続いて、「健康で笑顔あふれ、共に支え合う社会をつくる」施策のうち、子育て世代包括支援センターの設置について、その新設の理由と、第1次・第2次実施計画との整合性について伺います。

 同じく同施策のうち、地域包括支援センターの増設について、その理由と増設内容についても伺います。

 続いて、「地域文化を生かし、未来を担う心豊かな人材を育む」施策において、老朽化が著しい玉造給食センターとありますが、老朽化の状況と早急な再整備事業の実施について伺うものであります。

 次に、「空港の機能を最大限に生かし、魅力的な活気あふれる都市をつくる」施策において、公共交通計画策定について地域公共交通網形成計画を策定するとのことですが、策定によって一体何がどう変わるのかについて伺います。

 続いて、「活気ある産業を育て、にぎわいや活気を生み出すまちをつくる」施策において、新市場整備事業の年度別事業費を見ると、国庫補助金及び地方債はゼロとなっておりますが、この事業費で新市場整備事業を行うということなのか、改めて確認をいたします。

 次に、「市民サービスを充実させ、持続可能な自治体運営を行う」施策について、中郷小学校跡地整備事業は、廃校利用の好例と思われることから、再利用に至るまでの経緯について、整理の意味でも説明を伺いたいと思います。

 次に、大項目の4点目として、公設地方卸売市場特別会計について伺います。

 まず、年度別事業費を見ていくと、国庫支出金がゼロとなっておりますが、国からの支援は一切受けられないのか、改めて伺うものであります。

 逆に県支出金について記載がありますが、県は何に基づいて財政的支援をするのかについても伺います。

 最後に、新市場建設に係る経費については、これまで議会に対して説明、配付した資料が多くありますが、これら説明や資料にあった数値と、今回の第3次実施計画上の数値は、当然整合性はとれていると考えてよいのか伺います。

 以上、壇上からの質問とし、答弁により自席にて再質問を行います。


○伊藤竹夫議長

 小泉市長。

 〔市長 小泉一成君登壇〕

◎市長(小泉一成君)

 雨宮議員のNARITAみらいプラン実施計画についてのご質問のうち、第3次実施計画についてのご質問からお答えいたします。

 成田市総合計画NARITAみらいプランは、次世代に誇れる空の港まち、生涯を完結できるまちづくりに向けた、本市のまちづくりの最上位計画であり、基本構想、基本計画、実施計画の3層構造により構成しております。基本計画で掲げました施策を実現するための具体的な事務事業などを示した実施計画につきましては、財政状況や事業の進捗状況などを勘案し、毎年度事業の見直しを行うことにより、実践的な計画として、適切に進行管理を行っております。

 第3次実施計画において掲げました主要事業につきましては、実施計画を予算編成の指針とするという方針のもと、それぞれの事業内容のさらなる精査を図った上で、平成30年度当初予算へ計上をしております。

 次に、最新の国、県の動向につきましては、社会経済情勢の変化等に伴う国、県による法令や制度改正などに対しまして、迅速かつ適正に実施計画に反映させることにより、計画の実効性を確保しております。

 第3次実施計画における国、県の動向を勘案した具体的な事業施策としましては、法令や制度改正などに基づいて実施する施策として、災害廃棄物処理計画の策定や認知症初期集中支援チームの配置などが挙げられ、また新たな補助制度を活用した施策として、保育士給与上乗せ補助の拡充や骨髄移植ドナーへの補助などが挙げられます。

 次に、第1次実施計画の進捗状況の結果につきましては、基本計画で掲げる重点指標やまちづくり指標の達成度、事業の進捗状況について、行政評価の中で一体的に分析・評価をすることにより、計画から実施、評価、見直しへとつなげる、いわゆるPDCAサイクルに基づいた効率的な行政運営の実現を図っております。したがって、第1次実施計画の進捗状況及び行政評価の結果につきましては、平成30年度当初予算においても、これらを踏まえた予算編成となっております。

 次に、第3次実施計画における財政計画についてのご質問にお答えいたします。

 まず、予算規模における公設地方卸売市場特別会計の額の上下についてでありますが、計画期間内の平成30年度と平成31年度で、新市場の造成、建設工事を行うことから、年度ごとの金額に大きな差異が生じているものであります。

 次に、一般会計における歳入の市債額についてでありますが、平成30年度の約48億円に対して、平成31年度は約45億円に減額となりますが、平成32年度は約60億円まで増額するとしております。

 この増額の主な理由でありますが、事業計画に基づき、平成31年度と比較して、新清掃工場関連付帯施設整備事業において約7億円の増額、大栄地区小中一体型校舎建設事業において約15億円を増額することによるものです。

 なお、これらの大規模事業の完了に伴い、市債の借入額は、将来的には減額できるものと捉えております。

 次に、市税の算出根拠についてでありますが、個人市民税については、女性の社会進出や就労意欲の高い高齢者の増加などが要因と考えられる納税義務者数の伸びが見られることから、増収を見込んだものであります。

 また、法人市民税については、平成31年10月に予定されている消費税の税率改正にあわせ、法人市民税の税率が引き下げられることから、その影響が実際に出てくる平成32年度において、減収を見込んだものであります。

 次に、総務費及び土木費が減少する内訳と具体的理由についてでありますが、総務費につきましては、国家戦略特区推進事業における国際医療福祉大学への補助が終了することなどにより、土木費につきましては、ニュータウン中央線整備事業、表参道整備事業の進捗などにより、それぞれ大きく減額となることによるものであります。

 一方で、衛生費及び教育費が増額となっている具体的理由でありますが、衛生費につきましては、新清掃工場関連付帯施設整備事業の関係で、教育費につきましては、大栄地区小中一体型校舎建設事業の進捗により、増額となることによるものであります。

 次に、施策体系別事業費についてでありますが、総合計画では、施策を6つの体系に区分しており、第1次実施計画から第3次実施計画における体系別事業費の構成比が大きく変動なく推移している主な理由としましては、NARITAみらいプランの基本構想、基本計画において掲げた重点目標や基本方向に基づき、積極的かつ着実に施策を推進していることによるものであります。

 また、6つの施策体系のうち最も大きい構成比を占める保健・医療・福祉の分野であります「健康で笑顔あふれ、共に支え合う社会をつくる」とした基本方向でありますが、保育園整備や子ども医療費助成、扶助費など、子育て施策や医療・福祉施策に係る体系でありますことから、多くの事業費を計上しております。

 少子高齢化が進行する中、子育て世代が安心して子供を産み育てられる保育環境の整備など、子育て支援策の充実を図ることや、高齢者を初め誰もが生き生きとした生活を送ることのできる福祉・介護体制を確立することは、本市の最重要施策の1つと考えております。

 次に、施策体系別計画事業についてのご質問にお答えいたします。

 まず、「安全・安心でうるおいのある生活環境をつくる」施策のうち、空き家対策における市の取り組みについてでありますが、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、空家等の対策に関する施策の推進を総合的かつ計画的に実施していくため、今月末に成田市空家等対策計画を公表する予定であります。

 本計画の策定に当たっては、平成27年度に空き家の実態調査を行い、平成28年度に計画の原案を作成し、昨年7月には、その計画原案の内容について協議・検討を行うために空家等対策計画策定委員会を設置し、3回の会議を経て、昨年12月に計画の素案を作成いたしました。

 また、あわせて土地建物取引業団体などの関係機関からもご意見を伺い、昨年12月から1カ月間パブリックコメントを実施しましたが、特に意見はございませんでした。空家等対策計画は、空き家や敷地の適正な管理・活用の促進・倒壊等危険のある建物に対する措置などを定め、空き家の発生を未然に防ぐためのものであります。

 次に、空き家バンクについてでありますが、空き家バンクは、空き家として放置される可能性のある物件情報を、市のホームページや窓口にて公開し、宅地建物取引業協会と連携していくものであり、利活用の促進ができるものであるため早期に設立してまいります。

 空き家バンクを設立するに当たり、検討すべき課題といたしましては、掲載する物件情報の収集と対象物件の掲載基準であると考えております。物件情報の収集については、広報なりたや市のホームページなどで物件を一般から広く募集するとともに、担当職員による市内の巡回や所有者への問い合わせも積極的に行ってまいりますが、対象物件の掲載基準については、関係機関と協議した上で先進地の事例を参考に検討してまいります。

 なお、民間企業の関与につきましては、当該空き家物件の登録者と買い主または借り主を仲介いただく宅地建物取引業者が、それぞれの交渉及び契約などを行うこととなりますことから、市はこれらの業務には関与せず、あくまでも所有者と利用希望者との橋渡しをするにとどまることとなります。

 次に、廃棄物処理施設長寿命化計画策定についてでありますが、本市では、昨年3月に総合的・長期的な視点をもって、適切な公共施設サービスの提供と安定した財政運営を両立させることを目的に、公共施設・インフラ資産の更新、統廃合、長寿命化などの管理に関する基本的な方針を示す成田市公共施設等総合管理計画を策定しました。

 この基本的な方針に基づき、浄化センターにつきましては、昭和62年11月に供用を開始してから30年が経過し、腐食、摩耗等の全体的な進行が見られるなど、老朽化が顕著となってきており、毎年多額の修繕費用を要している状況であることから、既存施設の課題や問題点を抽出し、施設の長寿命化や再整備などの整備方針の検討を行い、浄化センター施設計画の基本構想を策定するものであります。

 また、リサイクルプラザにつきましては、平成10年3月に建設してから20年が経過しようとしており、破砕機の交換やコンベア、金属圧縮機の修繕など、定期点検結果に基づき計画的な修繕を実施しております。今後は、さらに修繕箇所及び費用の増大が予想されることから、施設の長寿命化計画を策定するものであり、策定した計画に基づき老朽化した設備を計画的に更新し、施設の機能維持を図ってまいりたいと考えております。

 なお、八富成田斎場につきましては、平成4年12月の開場から25年が経過していることから、同様に長寿命化計画を策定するものでありますが、更新時期を迎えた火葬炉6炉につきましては、以前から改修を予定していたことから計画に盛り込んだものであります。

 次に、災害廃棄物処理計画策定についてでありますが、廃棄物処理法に基づく基本方針においては、市町村の役割として、国の災害廃棄物対策指針や都道府県災害廃棄物処理計画並びに地域防災計画などと整合を図りつつ、市町村ごとの災害廃棄物処理計画を策定することが求められております。その目的としては、地震や洪水などによる大規模災害発生後に、大量に発生する廃棄物の処理を迅速かつ的確に行うため、仮置き場の選定、庁内の組織体制、広域的な連携などによる処理体制をあらかじめ定めておくことで、想定される災害廃棄物処理について、速やかな対応をとるための体制を整備することであります。

 議員ご指摘のとおり、本市においては、成田富里いずみ清掃工場での計画処理量を現状の処理量が上回っている状況であります。ごみの減量化につきましては、市民、事業者のご協力をいただきながら、本年度策定いたしました成田市一般廃棄物処理基本計画により各種施策を進め、努力してまいりますが、このような状況から、いつ起こるかわからない地震や洪水などによる大規模災害が発生した際に、大量に発生する廃棄物の処理を迅速かつ的確に行うための処理体制を定めるべく、成田市災害廃棄物処理計画の策定を行うものであります。

 次に、「健康で笑顔あふれ、共に支え合う社会をつくる」施策のうち、子育て世代包括支援センターの新設の理由についてでありますが、国は平成27年12月に、妊娠期から子育て期に至るまで、切れ目ない支援の強化を図るため、各市町村では平成32年度末までに、子育て世代包括支援センターを設置することを努力義務といたしました。

 近年、核家族化の進行や地域のつながりの希薄化などにより、妊娠・出産・育児への不安を抱える妊産婦が多い傾向にあることから、本市においては、子育て世代包括支援センターを早期に設置する必要があると考え、平成28年度に策定した第2次実施計画に計上し、本年4月から、保健福祉館内において事業を開始しようとするものであります。

 次に、地域包括支援センターの増設についてでありますが、現在の地域包括支援センターは、平成21年度策定の第4期介護保険事業計画で設定した3つの日常生活圏域に対して、支所を含めた5カ所の地域包括支援センターを設置して対応してまいりましたが、成田地区や公津地区などを含む西部圏域では、急激な高齢者の増加が進んでおり、またその他の圏域では、地域包括支援センターが遠く、相談がしにくいなどのご意見が寄せられていたことから、利用者の利便性を考慮して、地域包括支援センターの増設を図ることといたしました。

 まず、平成30年度に高齢者人口の増加が著しい西部圏域の西部南地域を成田地区と公津地区に分割し、新たに公津地区を担当する(仮称)西部西地域包括支援センターを整備しようとするものであります。

 続いて、平成31年度には、面積が広大な中央圏域の遠山・中郷・久住地区を3分割し、中郷地区を西部南圏域へ編入するとともに、遠山地区は単独の圏域とし、(仮称)南部地域包括支援センターとして再編をする予定であります。

 また、久住地区は、隣接する東部圏域に編入し、下総地域福祉センター内に設置されている東部地域包括支援センターが担当することとし、新たに大栄地区を担当する(仮称)東部地域包括支援センター大栄支所を保健福祉館大栄分館に整備いたします。

 次に、「空港機能を最大限に生かし、魅力的な活気あふれる都市をつくる」の施策における地域公共交通網形成計画の策定についてでありますが、本計画は、鉄道・バス・タクシーなどの運行事業者によるそれぞれの交通計画から、行政が中心となり運行事業者のほか、公共交通利用者、学識経験者など幅広い関係者で検討を行うことにより、さらに連携した公共交通ネットワークを再構築するものであり、地域にとって望ましい交通のあり方を明らかにするマスタープランとしての役割を担うものとなります。

 本市では、成田市立地適正化計画による都市のコンパクト化とともに、都市機能を有する各拠点と周辺居住地域を公共交通ネットワークで接続することで、NARITAみらいプランで掲げる、地域間が連携した相互補完型のまちづくりの実現が図られるものと考えております。

 次に、「活力ある産業を育て、にぎわいや活気を生み出すまちをつくる」の施策における年度別事業費に係る財源内訳についてでありますが、これは、一般会計に係る事業を集計しているものであり、新市場の整備にかかる工事費やその財源内訳につきましては、公設地方卸売市場特別会計の年度別事業費に県支出金と地方債で約135億円を計上しております。

 次に、「市民サービスを充実させ、持続可能な自治体運営を行う」の施策における学校跡地利活用についてでありますが、旧豊住中学校は、健康づくりや体力づくりなどを支援する機能を持たせた豊住ふれあい健康館として、昨年4月から供用開始をしております。

 また、旧中郷小学校については、地域との協議を重ねた結果、地域コミュニティの維持や地域活動を支援するコミュニティ拠点として整備することとし、平成31年度の供用開始を目指し、事業の進捗を図っております。

 民間事業者による活用といたしましては、旧名木小学校において、平成28年7月から社会福祉法人が障害福祉サービス事業所として運営しており、旧久住第二小学校については、本年度の事業者募集において、優先交渉権者が決定しました。

 また、その他の学校跡地につきましても、市としての案の取りまとめ作業や地域の皆様との協議を行っているところであります。

 学校跡地利活用の今後の方向性につきましては、学校跡地利用基本方針で定めた基本的な理念や考え方に基づき、全市的な行政需要や地域ニーズを考慮するとともに、民間事業者の活用も視野に入れた検討を行い、地域の活性化と学校跡地の有効活用を推進してまいります。

 次に、公設地方卸売市場特別会計についてのご質問にお答えいたします。

 年度別事業費に係る国庫支出金や県支出金につきまして、今回の市場整備に係る国からの補助金である強い農業づくり交付金は、県を通じて交付されることから、財源内訳としては、国庫支出金ではなく、県支出金に区分され、県は国からの補助金を財源として、市に対して助成を行うこととしております。

また、新市場建設に係る費用に関し、これまで説明してきた数値との整合性についてでありますが、原則として財源内訳や事業費については、整合がとれております。しかしながら、人件費につきましては、実施計画では、予算編成の指針としての観点から、平成29年度当初予算をベースに積算したのに対し、収支シミュレーションでは、30年間の長期的な視点からの収支計画であることから、直近数年間の平均値を採用したため、開設年度の2020年度の額には相違が生じることとなっております。

 なお、施策体系別計画事業に関するご質問のうち、「地域文化を生かし、未来を担う心豊かな人材を育む」に関するご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。


○伊藤竹夫議長

 関川教育長。

 〔教育長 関川義雄君登壇〕

◎教育長(関川義雄君)

 私からは、「地域文化を生かし、未来を担う心豊かな人材を育む」施策における玉造学校給食センターの老朽化の状況と再整備事業の実施についてのご質問にお答えいたします。

 まず、玉造学校給食センターの老朽化の状況についてでありますが、同センターには本所と分所が同一敷地内にあり、中学校6校に給食を提供している本所が建築後43年、小学校13校に給食を提供している分所が38年経過していることから、施設の老朽化が進んでおります。このため、ボイラーや受水槽、調理室内にある冷凍室などの設備については、毎年度、修繕を実施しております。

 次に、玉造学校給食センターの再整備事業の実施についてでありますが、共同調理場については、学校給食施設の整備計画に基づき整備を進めており、美郷台小学校学校給食共同調理場を含めて、今後4カ所の共同調理場の整備を予定し、共同調理場整備の進展に合わせて、玉造学校給食センターを早期に再整備できるよう取り組んでまいります。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 答弁を伺いまして、平成30年度の主たる事業費については、公的な施設の新設・改修等に係る工事費が主たるものを占めていて、特段事業に関しては、大きな見直しなどもなくて、基本的には当初策定された計画書上のメニューを粛々と消化をされているんだろうという印象を受けました。

 また、浄化センター施設計画基本構想策定事業など、公的施設改修のための計画立案事業が幾つか行われているようでありましたが、計画書の作成が外部委託契約の発注であって、これをもってして政策事業と言えるのかという部分については、一定の疑問が残ったという印象を受けます。ただ、見方を変えれば、子育て世代包括支援センターの設立や保育士給与上乗せ補助、また成田市独自の政策というよりは、時代の要請に応えた政策は、最低限実行していこうという意図が伝わるものでありまして、そういう意味では、手がたい内容の新年度事業だろうというふうに言えると思います。

 今回の市長答弁によって、第3次実施計画に位置づけられた主要事業は、当初予算に漏れなく計上されているということでありました。これに関しては、第1次実施計画の進捗状況の結果を的確に、これ以降の計画に反映させて、これをまた漏れなく当初予算に計上されているということをはっきりと確認することができましたので、私から1点のみ改めて市長の答弁を受けて、再質問させていただきたいと思います。

 本市の企画する政策については、誠に多種多様、そして多岐にわたり、さらにその内容が高度でかつ多額の税金が投入されるという予定であります。係る本市の政策を実効あるものとするために、必要不可欠なものとは、一体何であると市長はお考えなのか伺いたいと存じます。


○伊藤竹夫議長

 小泉市長。

◎市長(小泉一成君)

 私は、市長就任以来、市民の皆様がいつまでも成田に愛着と誇りを持ち続けられるよう、魅力あるまちの創造を目指し、次世代に誇れる空の港まち、生涯を完結できるまちづくりの実現を将来像として掲げ、特色ある様々な施策を実施してまいりました。このような中、多くの魅力ある施策が、今まさに着実に前進しており、成田が大きく変貌を遂げていることを実感しているところであります。今後も、市民の皆様のニーズや課題を的確に捉えつつ、NARITAみらいプランに掲げた未来を見据えた施策を確実に実践していくことによって、本市の魅力を高め、市民の皆様に住み続けたいと思っていただけるまちづくりを進めてまいります。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 本市の政策を実効あるものにするために必要不可欠であるもの、それは地方自治体の専門職としての識見と生活の知恵に根差した実践的哲学、そして何より本市将来への確かな展望を持って職務に励む職員の皆様方にほかならないであろうというふうに信じて疑いません。職員の日々の精勤なくして、本市の掲げた次代の政策の実現はあり得ないだろうと思います。

 これまで繰り返し述べてきたことではありますが、地方自治の達成に係る権限と責任は、最終的には選挙で選出された長と議会、そして何よりそれを支える職員の皆様の双肩にかかっているということを、地方行政にかかわるものは忘れてはならないだろうというふうに思います。真の地方自治の成否は、自治体関係者の背負うべき使命であると同時に、住民もまた為政者について、その動きを常に監視し批判して、それを見極める真眼が求められているのだということを申し上げ、私の質問を終わります。

|
議会活動一覧
詳しい県政活動はこちら あましんレポート
トップぺ戻る