ゴミの有料化が
市民の知らないところで
すでに始まっているという事実。

今、成田富里しずみ清掃工場が抱える問題を
雨宮しんごと考える

成田富里いずみ清掃工場ってどんな施設?

旧いずみ清掃工場は、老朽化に伴い建て替えを行い、成田富里いずみ清掃工場として今から6年前、平成24年10月に供用を開始しました。

☆成田富里いずみ清掃工場

・炉型式 … ガス化溶融炉(シャフト式) ・処理能力 … 212トン/日(106トン/24時間×2炉)

☆総事業費

99億4442万3千円で建設されました。 [内訳]
国庫支出金26億7574万円
地方債34億4550万円
富里市負担金13億4633万4千円
成田市一般会計24億7684万9千円

☆委託契約

99億7千万円で20年間の 維持管理業務を委託 しています。 受託者は施設建設を担った事業者と 新設した 特別目的会社「成田富里環境マネジメント(株)」です。

☆ガス化溶融炉シャフト式は夢のゴミ処理施設?

「ごみ」は完全燃焼、ごみ焼却残渣は再資源化可能なスラグに分解処理!
・発生するガス

完全燃焼されたガスは、窒素酸化物、ダイオキシン等の有害物質類を除去し、クリーンなガスとして煙突より排気

・スラグ

高温燃焼熱で溶融されたスラグはアスファルト材料等の土木資材へ再資源化


このように、ガス化溶融炉を有する成田富里いずみ清掃工場は、ごみから資源を生み出すことができる「夢のごみ処理施設」と言われていたのでした…

稼働直後から処理能力を超えるゴミが搬入され、
わずか3年で焼却炉事故が発生。

  本来はこのような状態のはずなのに、、、
現状は処理が追いつかず、こんなにゴミの山が!! 
清掃工場には、運用開始直後から市の計画以上のゴミが搬入されて来たため、メンテナンス用として確保していた85日/年の運転休日も休まずに炉を回し続けました。(下記表を参照ください) このことが起因してか 平成27年に運用開始からわずか3年足らずで炉が故障し、稼働が停止するという状況となりました。 ※平成27年6月定例会議で論陣!

「成田富里いずみ清掃工場の稼働停止トラブル」

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現実との乖離。原因は施設設計ミス?計画ミス?それとも…

市は計画以上のゴミが搬入されたため過大運転を強いることで急場を凌いできましたが、事故の発生により、この手段も頓挫せざるを得なくなりました。 そこで市は次善の策として、「民間事業者へのゴミ処理外部委託」を採用しました。 これは、成田富里いずみ清掃工場だけでは、日常発生するゴミ処理を消化できないとの判断によるものです。この外部委託費用は約1億円/年であり、当然のことながら市税負担となっています。

原因はなんだったのか…

6年前のスタート時から計画焼却量をオーバーしていたことから、施設規模の設計ミスやごみ搬入量の予測ミスなどが原因と考えられます。

 ゴミ量が減らないのは意識の低い市民が払う当然のツケなのか?

市の答弁は、年間計画処理量が当初予測をオーバーした理由として、 ① 景気の好転等による物流の増加
② 学校の新設
③ 大型店舗などの新設
④ 各種行事・イベント開催に伴う観光客の増加
⑤ ゴミ分別の徹底が図られていない
などをあげています。 ですが、①~④は市長が推進する政策からも想定できた事項です。

問題は⑤です。

市民のモラルが低いから…とも受け取れる答弁です。 では、本当に市民のモラルは低いのでしょうか。調べてみました。

一人一日当りのゴミの排出量

平成18年度実績1,175グラム
平成28年度実績1,104グラム
この通り、市民はこの10年間でゴミを抑制していることがわかります。
補足しますが、市の計画では平成29年度の人口を15万人と見込んでゴミ量を算出していました。

実際の市の人口は13万人。

計画よりも2万人少ないにもかかわらずゴミが溢れていることになります。

成田市のゴミ処理量のまとめ

成田市 ごみ処理の推移

成田市ホームページ公表の数値など、市民でも容易に入手できる数値を基に作成しました。「 ー 」部分は、公表されていない、あるいはまだ作成されていない等の数値のため、入手できなかった数値を示しています

平成23年度
平成26年度
平成27年度
平成28年度
平成29年度
平成30年度
❶清掃工場建設時に市が算出した1日あたりのごみ処理量(t/日)
160.3
157.3
157.8
153.8
147.5
147.5
❷市が毎年度策定するゴミ処理計画で見込んだ1日あたりのごみ処理量(t/日)
162.7
164.2
166.2
163.0
❸実際に清掃工場で処理された1日あたりのごみ処理量(t/日)
157.3
162.3
162.6
150.7
❹外部委託で処理されたごみ量を加えた1日あたりのごみ処理量(t/日)
166.3
173.9
174.0
165.8

 

❶清掃工場建設時に市が算出した1日あたりのごみ処理量(t/日)とは
成田市が新たに清掃工場を建設するにあたって算出した1日あたりのごみの処理量です。 平成23年度をピークに、以後処理量は減っていく見込みでした。 つまり1日160.3tのごみを処理できる清掃工場を建設すれば、成田市は何も問題なくごみを処理できると判断したのです。(平成23年度の赤欄参照)
❷市が毎年度策定するゴミ処理計画で見込んだ1日あたりのごみ処理量(t/日)とは
なりたいが策定したごみ処理計画にある1日あたりのごみの計画処理量です。市町村は毎年度、ごみ処理に関する計画を策定し、それを市民に公表しなくてはなりません。成田市も計画を策定し、市のホームページで公表しています。これを見ると、平成27年度から、160.3tを超えるごみを処理する計画となっています。 つまり計画段階ですでに、清掃工場で処理できない量を処理する計画をしてしまっているのです。(平成27年度〜平成30年度の黄欄参照)
❸実際に清掃工場で処理された1日あたりのごみ処理量(t/日)とは
新しい清掃工場が稼働した平成24年度から、清掃工場の1日あたりのごみ処理量160.3を大幅に超えるごみ処理をしています。 平成29年度になってようやく成田市の1日あたりのゴミ処理上限量160.3tを下回りましたが(緑欄参照)、それは外部委託をしたからに過ぎないので、これを加えれば以前の計画量を上回っています(平成29年度の青欄参照)。
❹外部委託で処理されたごみ量を加えた1日あたりのごみ処理量(t/日)とは
清掃工場で処理できなかったため外部へ委託して処理ししたごみ量を加えたものです。 外部委託の始まった平成26年度から、いずれの数値も❷欄の計画量を上回っているばかりか、成田市の1日あたりのごみ処理上限量160.3tをも上回っています平成26年度〜平成29年度の青欄参照)
※表では「1日あたり」としていますが、実は清掃工場は1年間365日のフル稼働ではないのです。市によると、工場のメンテナンスを行うため工場を休止する日が85日間必要なため、実際に清掃工場が稼働するのは280日間となるというのです。

清掃工場は正しくメンテナンスを実施できているのでしょうか?

市が公表した清掃工場の炉停止期間
平成25年度 
1号炉
2号炉
44日間
25日間
平成26年度 
1号炉
2号炉
48日間
42日間
平成27年度 
1号炉
2号炉
42日間
23日間
平成28年度 
1号炉
2号炉
47日間
38日間
平成29年度 
1号炉
2号炉
57日間
66日間
この表の通り、メンテンンスに必要な85日間を確保できたことが一度もありません。平成27年の故障は必然だったのでは…。

 今後も外部委託処理は続く・・・

~ゴミの有料化が市民の知らないところですでに始まっているという事実~

成田市では、ゴミの減量化のために有料化を検討しています。ですが既に実施している外部委託自体が有料化であることを認識すべしと指摘しました。
平成26年度から平成29年度までの4年間で約6億5300万円
平成30年度の予定経費を含めると約7億5千万円
※事故や定期修繕なる名目で発注されたゴミ処理外部委託の合計額です これだけの金額があれば、果たしてどのような政策に、有効に投じることができたでしょうか。

市はゴミ減量化のため、新たに「有料化を検討しています」。ですが、この状況のとおり、すでにゴミは有料化されているのです!

 市に残された道は・・・

まず施設設計のミス、計画のミス、そして将来予測の見誤り等を認めることからしか、「ゴミ処理外部委託という新たな税金支出」を市民にお願いすることはできないと私は考えています。そこで、私が市に提案したのは以下の通りです。 ①当初計画以上の税金を支出してゴミ処理をしている現状(焼却能力を超える分のゴミ処理を外部委託をしていること)を市民にお知らせすべき。
②当初計画に限りなく寄せていく案を市は再度検討し、具体的に明示すべき。
③今のゴミ処理外部委託が一番合理的な処理方法なのか再検討すべき。
④ゴミの一時貯留ピット建設などでの対応可否や、現状よりコスト低減を図る策の検討をすべき。 引き続き問題意識を持ちながら成田市の廃棄物処理行政について精査し、適切なゴミ処理行政が行われるよう声を上げてまいります。