平成28年9月定例会議
平成28年9月定例会一般質問
公正を第一義とし、機会均等の理念に適合し、かつ経済性を確保した入札制度改革に向けて
(1)総合評価入札制度に係る落札者決定基準の定め方はどうなっているのか
(2)総合評価競争入札を採用するための判断基準は何か
(3)地方自治法施行令第167条の10の2第1項に規定されている「規定により難いもの」の判断は
(4)総合評価競争入札の対象をより一層増やすべきではないか
(5)総合評価競争入札制度を担保する重要な布石となる低入札価格調査制度をより厳格にすべきではないか
(6)総合評価における価格評価点と技術評価点におけるそれぞれの点数の正当性、妥当性の根拠は
(7)成田市が最低制限価格の事前公表を止めない正当な理由とは何か
(8)今年度より低入札価格調査基準の現場管理費などの算入率が0.8から 0.9へ引き上げる旨の通知があった。その対応は
(9)開札後における金入設計書の開示状況について
一般質問の内容
政友クラブの雨宮慎吾でございます。このたびは傍聴席の皆さん、ようこそおいでくださいました。およそ60分間、おつき合いいただければと思います。
それでは、ただいまより成田市議会会議規則62条2項の規定により、議長に対して通告し受理された内容のとおり一般質問をさせていただきます。
そもそも地方公共団体の行う契約事務については、公正をもって第一義とし、機会均等の理念に最も適合し、かつ経済性を確保するという観点から執行しなければならないことは論をまたないところであります。そして、これらの環境を満足させるために、地方公共団体はその事務の執行の方法について絶えず検討し、より適切な運用をしなければなりません。
今回の質問では、その事務執行方法に係る次の質問項目について、成田市はどのように検討され、精査し、実行する意思があるのか。そして、それがいつ事務方法に反映されるのかについて、個別具体に伺ってまいります。
1点目
地方自治法施行令第167条の10の2第1項に規定する契約制度、すなわち総合評価一般競争入札を行おうとする場合は、あらかじめ当該総合評価一般競争入札に係る申し込みのうち、価格その他の条件が当該普通地方公共団体にとって最も有利なものを決定するための基準、落札者決定基準を定めなければならない旨、自治法施行令第167条の10の2第3項に規定されておりますが、この基準はどのような過程を経て定められるのか、伺います。
2点目
自治体の行う契約方法は一般競争入札による最低価格落札方式が原則であり、総合評価競争入札は、あくまでその最低価格落札方式の例外の1つであります。したがって、総合評価競争入札による執行の判断は、その入札案件ごとに、一般競争入札で執行すべきか、あるいは総合評価競争入札で執行した方が有利であるのかを個別具体に判断した結果によるものであり、例えば予定価格が3,000万円以上の案件は、総合評価競争入札を行うなどといった一律に判断されるべきものではありません。成田市の場合、誰がどのような判断をした結果、総合評価競争入札で執行すると決定されるのか伺います。
3点目
総合評価競争入札を選択できる場合として、当該契約がその性質または目的から、自治法第234条第3項で規定されている最低価格落札制度、または自治法施行令第167条の10で規定されている低入札価格調査制度及び最低制限価格制度の規定によりがたいものであるときは、これらの規定にかかわらず、いわゆる総合評価競争入札をすることができる旨、自治法施行令第167条の10の2第1項に規定されているわけでありますが、この規定によりがたいものであるときとの判断は、誰がどのように判断して決定しているのか、伺います。
4点目
総合評価競争入札は、落札者の決定に当たって、価格のみならず、性能・機能、そして技術力を評価できるという点で、地方公共団体にとって有利な契約の締結を可能とするものであります。したがって、総合評価競争入札の執行に臆病になってはならないはずです。その対象入札を増加させることは、最終的には納税者・市民の幸福、すなわち公益につながります。総合評価競争入札の対象をふやす検討をすべきだと考えますが、見解を伺います。
5点目
自治法施行令第167条の10第1項の規定により、最低の価格で入札した者を落札者とせず、次順位者を落札者とすることができる、いわゆる低入札価格調査制度によることができます。本規定は、低価格入札をした者が完全な履行をしないことなどにより、結果的に地方公共団体が損害をこうむるおそれがあることから、これを避けることを目的としたものであり、同様のおそれは総合評価競争入札においても考えられます。せっかく総合評価競争入札を執行しても、本件契約が完全に履行されないのでは意味がありません。低入札価格調査制度は、総合評価競争入札を担保する重要な布石であり、低入札価格調査制度が正しく機能しなくては、総合評価競争入札導入の意義が失われることになります。成田市は、低入札価格調査制度のより厳格な設定、すなわちより厳しい条件の設定を検討すべきだと考えますが、見解を伺います。
6点目
総合評価の方法として、価格評価点と技術評価点の和をもって総合評価点を算出するとされ、価格評価点は80点掛ける最低の入札価格分の入札価格という計算で、技術評価点は20点掛ける評点の合計分の評点の合計の最高点数という計算で算出するとされております。この計算方法は、そもそも一体誰が、そのような検討を経て導き出したものなのでしょうか。例えば、80点、20点という数字でありますが、この点数の正当性・妥当性の根拠は一体何であるのか。何をもって80点であり、何をもって20点であるのかという割り振りをしているのか、その妥当性について伺います。
7点目
最低制限価格の事前公表は、相当以前よりその障害が指摘されていますが、平成28年3月18日付の総務省通達、低入札価格調査における基準価格の見直し等についてにおいて、改めて事前公表を取りやめるべき旨の意思が示されました。
かいつまんで報告しますが、低入札価格調査の基準価格及び最低制限価格については、その事前公表により、当該近傍価格へ入札が誘導されるとともに、入札価格が同額の入札者のくじ引きによる落札者等が増加する結果、適切な積算を行わず入札を行った建設業者が受注する事態が生じるなど、建設業者の真の技術力・経営力による競争を損ねる弊害が生じ得ること、地域の建設業の経営をめぐる環境が極めて厳しい状況にあることに鑑み、事前公表は取りやめ、契約締結後の公表とすることとされております。
そこで伺います。係る通知が発せられてもなお、成田市が最低制限価格の事前公表をやめない正当な理由とは何なのか、答弁を求めます。
8点目
平成28年3月18日付の国土交通省通達、予算決算及び会計令第85条の基準の取扱いについての一部改正についてで、入札価格調査基準の見直しにより、平成28年4月1日以降に入札公告を行う工事を対象に、低入札価格調査基準の現場管理費等の算入率を0.8から0.9への引き上げが、国より関係機関に通知されたところであります。この通知を参考に、県も変更を行っており、成田市としても直ちに対応すべきだと考えますが、見解を伺います。
次に9点目
金入設計書は、入札参加者にとってみれば、いわば模範解答であり、次回の入札に備えるための重要な教科書となるものであります。これにより、入札参加者はさらに研さんし、高度な入札価格の算出ができるようになり、これは発注者たる市にとっても、ひいては納税者たる市民にとっても有利なことであります。入札により落札者が決まった後は、金入設計書を秘匿にしておく必要は全くないので、開札後には、入札参加者に対し、直ちに金入設計書を開示すべきだと考えますが、見解を伺います。
以上で、檀上での質問を終わります。引き続き自席にて質問させていただきます。
○議長:小泉市長。
◎小泉市長:それでは、雨宮議員の入札制度改革についてのご質問にお答えいたします。
総合評価一般競争入札は、公共工事の施工に必要な技術的能力を有する企業の施工により、工事品質の確保や向上を図ることを目的として、入札価格のほかに、企業の施工能力、配置予定技術者の能力、地域貢献度などの価格以外の要素を一体として評価し、落札者を決定する入札方式であります。この制度は、公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法におきまして、工事の品質確保のための主要な取り組みとして位置づけられているものであります。
まず、総合評価一般競争入札を実施する場合の本市での落札者決定基準の定め方についてでありますが、成田市特別簡易型総合評価方式落札者決定基準に基づき設定をしており、その上で、地方自治法施行令の規定に基づく学識経験者の意見聴取を受けるとともに、成田市工事等指名業者選定審査会に諮り定めております。
次に、総合評価一般競争入札を採用するための判断基準、及び地方自治法施行令第167条の10の2第1項に規定されている規定によりがたいものの判断はとのことでありますが、総合評価一般競争入札の導入におきまして、最も求められていることは、高い工事品質でありますので、比較的高度な技術力や設計積算を必要とする規模の工事を、総合評価方式による入札の対象案件とすべきであると考えており、本市においては、土木工事のうち、いわゆるAランクの業者を対象とした予定価格2,500万円以上の工事、及びBランクの業者を対象とした予定価格1,500万円以上1,800万円未満の工事と、建築工事のうち予定価格が7,000万円以上の工事を対象とし実施しております。
また、総合評価一般競争入札の対象をふやすべきではないかとのことでありますが、昨年度は、土木工事のみを対象に14件実施いたしました。本年度につきましては、土木工事において20件程度の実施を見込んでおり、建築工事につきましては、本年6月から新たに対象とし、5件程度の実施を予定しております。今後につきましても、業種ごとに導入の必要性、競争性の確保などについて十分検証しながら運用の拡大を検討してまいりたいと考えております。
次に、総合評価一般競争入札における低入札価格調査制度をより厳格化すべきではとのことでありますが、総合評価一般競争入札につきましては、受注意欲の高い業者による設計積算に基づく、より競争性の高い入札を執行するため、低入札調査基準価格を事後公表として実施しております。最も高い評価値であった入札者の入札価格が、低入札調査基準価格を下回り失格基準価格以上の場合には、成田市低入札価格調査制度実施要綱等に基づき、書類及び事情聴取による調査を実施し、設計仕様等に適合しているか、積算内訳書の算出根拠が適正であるかなどについて確認をした上で、契約の内容に適合した履行がなされるかの判断をしております。入札業者の設計積算内容が、失格基準に該当するものではなく、企業努力の結果において履行が可能となるものであれば、経費の削減及び競争性の確保という観点から見ましても、現行の基準での運用を図ってまいりたいと考えております。
また、低入札調査基準価格を下回り落札し、契約した場合は、通常の契約時に比べ契約保証金の割合は3倍に、前払金は2分の1とするなど、安易な低入札価格での入札を抑止する制度も実施しております。
次に、総合評価における価格評価点と技術評価点の点数割合の根拠についてでありますが、現在、総合評価方式の落札者決定基準において、評価点の配点は、価格評価点が80点、技術評価点が20点であります。昨年度、総合評価一般競争入札を14件実施した中で、最低の価格で入札した業者が落札したのは4件のみで、そのいずれもが技術評価点も最高点でありました。これは、全ての案件において、技術評価点の高さが落札に結びついており、現在の基準でも、技術評価が十分に反映されているということをあらわしております。そのため、さらに技術評価点の割合を高くすることは、価格評価の面における競争の意識が薄れ、競争性の低下を招くおそれがあると考えられます。このようなことから、現在の評価点の配点割合は妥当であると考えておりますが、総合評価方式の運用につきましては、今後もよりよい制度構築に向けて検討してまいります。
次に、最低制限価格の事前公表についてでありますが、最低制限価格の事前公表は、その価格を探ろうとする不正な動きや情報漏えいなどの余地が排除され、行政コストの低減と公正性・公平性が確保される一方で、業者の受注意欲が必ずしも落札に結びつかないことや、設計積算をしなくても入札が行えることで、入札参加者の技術力の低下、ひいては工事品質をも低下させかねないことなどが懸念されます。そのため、現在は入札時に内訳書の添付を義務づけるなどの対策を図りながら、最低制限価格を事前公表として実施しておりますが、その取り扱いにつきましては、今後も引き続き検討を重ね慎重に判断してまいりたいと考えております。
次に、低入札調査基準価格の現場管理費等の算入率の引き上げについてでありますが、国では、本年4月より低入札調査基準価格のうち現場管理費について、品質確保の観点から、現場において必要とされる技術者の費用を計上することとし、算入率を10分の8から10分の9に引き上げる見直しが行われました。この見直しを踏まえ、本市におきましても、低入札調査基準価格及び最低制限価格につきましては、本年10月からその算定方法を改定し、適切な見直しを図ってまいります。
次に、開札後における金入設計書の開示状況についてでありますが、工事の予定価格算出の根拠としている設計書につきましては、工事完了後において、情報公開制度により開示をしており、毎年度10件前後の実績があります。今後、県内自治体などの運用方法を参考としながら、開示時期及び開示方法などについて検討してまいります。
○議長:雨宮議員。
◆雨宮 真吾:では、1点目から再質問させていただきたいと思います。
まず、落札者決定基準の定め方についてなんですけれども、これはちょっと事務的な確認なんですが、自治法施行令の第167条の10の2第4項に、普通地方公共団体の長は、落札者決定基準を定めようとするときは、総務省令の定めるところにより、あらかじめ学識経験を有する者の意見を聴かなければならないと規定されているわけであります。つまりどういうことかと言うと、落札者決定基準を定める前に、学識経験者の意見を聴取しなさいという規定になっているんです。何ですが、成田市の今の落札者決定基準の定め方はどうなっているかというと、成田市特別簡易型総合評価方式落札者決定基準、これをまず定めちゃっているんです。これをまず定めた上で、その次に学識経験者の意見聴取を受ける。そして、これにあわせて成田市工事等指名業者選定審査会に諮る。その後決定という手順になっているということがあるわけであります。
そこで、どうして自治法施行令で規定されている学識経験者の意見聴取というのが、先に扱われないでこのような運用の形態になっているのか。このあたりについて、まず伺いたいと思います。
○議長:宮田総務部長。
◎総務部長:まず、落札者の決定基準の定め方でございますけれども、今、落札者の決定基準、これがありまして、それから案件ごとに工事の特性に沿った基準を定めて設定しております。そして、設定した基準が適正であるかどうかを学識経験者に審査していただいて、先ほど言われたとおり、いわゆる指名審査会に諮って落札者の決定基準が定められて、入札を実施するという流れになっておりまして、1件ずつそういう形で一件審査という形で、それを審査しているということでございますので、自治法に規定されております学識経験者の意見も聞いておりますので、厳正に対処しているということでございます。
○議長:雨宮議員。
◆雨宮 真吾:成田市においては、この特別簡易型総合評価方式落札者決定基準、これを定めた後に学識経験者の意見聴取は、必ずこれは行っているということでよろしいかということなんですが、必ず行っているということなんです。なので、では、これは自治法施行規則第12条の4の規定によって、学識経験者はこれは2名以上というふうになっているわけなんですが、じゃ誰がどのような基準でこれを任命し、学識経験者の運用を成田市が行っているのか。このあたりについて伺いたいと思います。
○議長:宮田総務部長。
◎総務部長:2名の学識経験者でございますけれども、本市では独自に学識経験者を委嘱しておりませんので、千葉県の市町村等総合評価支援要綱に基づきまして、県が委嘱しております大学の教授などの千葉県建設工事総合評価委員から、案件1件ごとに意見を聴取しまして、中立かつ公正な審査、評価をいただいた上で、落札者の決定基準を設定しております。なお、この千葉県建設工事総合評価委員は、千葉県知事が任命いたしまして、任期でございますけれど、1年ということでございます。
○議長:雨宮議員。
◆雨宮 真吾:わかりました。
では、次に総合評価入札のこの落札者決定基準に当たって、簡易型、標準型、高度技術提案型、特別簡易型というふうに、この総合評価方式は4つに分かれているわけなんですけれども、なぜこのように4種類に分類させているのか。これは、自治法上は分けなさいというふうにはなってないわけなんです。なんで、これはなぜ市としては、4つの分類を行っているのか。そして、それぞれがどういうタイプの入札に相当するのか。このあたりについてご説明いただければと思います。
○議長:宮田総務部長。
◎総務部長:総合評価方式につきましては、国が4つのタイプを示してございまして、市もこれに準じているものでございます。まず、4つの形式でございますけれども、簡易型ですが、技術的な工夫の余地が小さい一般的な建設工事において、特定のテーマに沿って作成された簡易な施工計画のほか、企業の施工能力、配置予定技術者の能力、地域貢献度等の評価項目と、入札価格を総合的に評価する方式でございます。
標準型でございますけれども、技術的工夫の余地が大きく、施工上の工夫など、一般的な技術提案を求めることが適切な建設工事に適用されるものでございます。
次に、高度技術提案型でございますが、技術的な工夫の余地が大きい高度な技術提案を要する建設工事に適用される方式でございます。
最後に、特別簡易型でございますけれども、技術的工夫の余地が小さい一般的で小規模な建設工事におきまして、施工計画の評価を要件とせず、同種の工事の施工実績、あるいは施工の工事の成績など、定量化されました評価項目と入札の価格を総合的に評価する方式でございまして、市町村においては多く活用される、そういった方式でございます。
○議長:雨宮議員。
◆雨宮 真吾:それでは、この4つ、簡易型、標準型、高度技術提案型、特別簡易型における成田市の運用回数は、それぞれどうなっているのか教えてください。
○議長:宮田総務部長。
◎総務部長:本市におきましては、現在まで全ての案件について、特別簡易型方式による入札を実施しておりまして、それ以外の3つのタイプにつきましては、実績はございません。
○議長:雨宮議員。
◆雨宮 真吾:了解しました。これで理解できました。
特別簡易型については、特に市町村が多いということは聞いておりまして、これは事務的な部分を軽減させることによって、その回数をふやしていこうと、これは応札される方々の事務的なものも改善していこうということでの取り組みなんだろうと思うんですが、では改めて、これは第1質問にまた戻ってしまうんですが、成田市のこの特別簡易型総合評価方式落札者決定基準、これ以外の3種類、ですから1番、2番、3番です。簡易型、標準型、高度技術提案型、この場合については、学識経験者の意見聴取を踏まえ、市長が別に落札者決定基準を定めるものとする。このようにされているわけだと思うわけなんですが、この学識経験者の意見聴取を踏まえ、市長が別に落札者決定基準を定める、その過程は、どういうふうに検討されているのか、伺えればと思います。
○議長:宮田総務部長。
◎総務部長:市が発注いたします工事は、おおむね技術的工夫の余地が小さい、一般的で小規模な建設工事の範囲であると考えられますので、市町村向けの特別簡易型による実施を前提として考えておりまして、その基本となる特別簡易型の落札者決定基準のみを現在、内規として定めてございます。今後、簡易型や標準型などの方式を適用するといった場合には、基本となる基準を、これはもちろん学識経験者の意見を聞いた上で定めまして、入札をしようとする案件ごとに詳細な基準の設定をいたしまして、再度学識経験者の意見聴取を経て、入札を執行するといった手順を考えてございます。
○議長:雨宮議員。
◆雨宮 真吾:了解しました。
基本的には、この4番の特別簡易型による運用というのが、今後も継続されていくだろうというところだと思います。これは、応札業者のほうにとっても利便性が高いことですし、事務的な作業を軽減できるという意味では、やはり大きいんだろうと思います。ただ、この含みおいて1番、2番、3番の手法もあるわけですので、このあたりについては、厳正な運用をしていただきたいと思います。
では、次の質問に移ります。これは、2番目と3番目、ちょっと同種なのであわせてしまいますが、いただいた答弁によりますと、総合評価一般競争入札、これの導入においては、最も求められることとして、高い工事品質にあるということで、比較的高度な技術力、そして設計積算を必要とする規模の工事を総合評価方式による入札の対象案件とすべきであると考えているというような答弁が出ているわけなんです。まさに、このテーマというのが、そもそも法の趣旨に至る総合評価入札のテーマでありますから、私も当然にそのようにしなければならないと思っております。では、なぜ総合評価方式による入札の対象案件とすべき案件が、土木工事、Aランク業者が予定価格2,500万円以上、またはBランク業者、予定価格1,500万円以上から1,800万円未満、建設工事、予定価格7,000万円以上というように、予定価格の金額で機械的に区分されているのか説明いただければと思います。
○議長:宮田総務部長。
◎総務部長:比較的高度な技術力や設計積算能力を必要とする工事であるかどうかの判断につきましては、地方自治法施行令の本旨を踏まえながらも、公正性の観点から客観的に判断できる基準を定めるべきであると考えて、予定価格によりまして、その対象を定めております。今後、業種ごとに検証をしていく中におきまして、工事品質の向上という総合評価方式採用の主目的を考えまして、対象案件の選定方法につきましても検討してまいりたいというふうに考えております。
○議長:雨宮議員。
◆雨宮 真吾:これは、第1質問で私が指摘したとおりなんです。例えば、そもそもこの総合評価競争入札とは何たるやといったら、法の趣旨ということで、今、部長がおっしゃいましたけれども、まさに性能、機能、技術力、こういったプライスレスの部分をどういうふうに評価をするのか。そして、それが地方自治体によって有利な契約の締結に結びつけるのかというところに、テーマが存在しているわけでありますから、絶対にこの価格一律で機械的に定めるということが、法の趣旨にかなうのかと言うと、そうではないだろうというふうに思います。例えば予定価格が7,000万円以上の総合評価入札対象案件があったとする。そうすると、そもそもこの7,000万円というものの妥当性って何なのだろうという話が、まず出てくるわけです。なぜ、例えば6,500万円ではいけないのか。なぜ、7,100万円以上でいいのか、このあたりの説明ができるかと言うと、多分できなくなってしまう。そして、例えばその金額の大小にかかわらず、少額な契約であったとしても、機能や性能、技術力を持っていれば、入札に応じて、そして締結していく。これを総合評価としてやっていく。こういったことが必要な案件というのも、必ずあるはずだと思います。その意味においては、金額だけで一律にその対象を定める。こういったことをするのではなくて、もちろんこうした機械的な判断をすることによって、職員の皆様からすれば、恣意性を排除できるという意味においては、すごく真っ当な手法なんだろうと思いますが、あくまでも法の趣旨、この総合評価の趣旨にのっとるのであれば、やはり個別具体にそれぞれの必要性を鑑みて判断をされていくということが望ましいと思いますので、以後、検討を進めていただきたいと思います。これは要望としておきます。
では、次に4番については、椅子をふやすということの答弁をいただいておりますので、結構でございます。
では、(5)番、⑤番です。こちらのほうに行きたいと思います。答弁によると、現段階で低入札調査基準の価格を下回り、契約した場合については、通常の契約時に比べて契約保証金の割合を3倍に、前払金を2分の1にするということで、安易な低入札価格での入札を抑止する制度も実施されているということでございました。契約の履行が非常に疑わしい、それでも失格には至らないという契約相手方に対する対抗策としては、機能するんだろうというふうに思います。しかしながら、そもそもこういう例外的な対応策を講じなければ、契約履行を約束できないような者を契約相手方とすべきではないのではないでしょうか。履行が疑わしい落札者は、小手先の策など弄せず、きっぱりと失格とすべきであると私は考えております。スタートの段階から疑わしい相手を牽制することも必要であり、厳格化をさらにしていくべきだと思いますが、この点について見解を伺いたいと思います。
○議長:宮田総務部長。
◎総務部長:低入札価格調査につきましては、先ほど市長がご答弁申し上げましたとおり、現行の基準の中の運用におきまして、契約の内容に適合した履行がされるかどうかの判断が厳格に行われているところでございます。しかしながら、低入札調査基準価格を下回る入札の増加によりまして、価格競争が激化するということは、総合評価方式の趣旨に反しているという面もございますので、価格及び品質が総合的にすぐれた内容の契約がなされるよう、今後も入札の状況を注視してまいります。
○議長:雨宮議員。
◆雨宮 真吾:総合評価という入札方式も、完璧なものではありませんで、その性質からダンピングを誘発する可能性もあるわけでございます。ですので、これについてはぜひ注視をしていただきたいというふうに、これも要望とさせていただきます。
次の質問に移ります。価格評価点と技術評価点の点数割合のこの正当性、妥当性についてなんですけれども、今の答弁いただきましたが、私が伺っているのは、そもそも一体誰が、どのような検討を経て、成田市として80点であるとか、20点であるのかという妥当性を判断されたのかということを伺っているわけでございますので、改めてこの点について答弁いただければと思います。
○議長:宮田総務部長。
◎総務部長:本市で総合評価方式を採用したときに、加算式の標準的なモデルを検討した中で、技術評価点を20点というふうに設定いたしております。
○議長:雨宮議員。
◆雨宮 真吾:そうすると、第1答弁、そして今の答弁、これをいただくと、さしたる根拠はないけれども、80点、20点、この割合でやってみたら何となくうまくいった。なので、これが何となく妥当であって、この調子でやっていきたいと思うというような答弁にも聞こえなくもないんです。加算式の標準モデル、こちらのほうを見ると、技術評価点については10%から30%、こういうふうになっているわけです。成田市は、その中間の20%をとられたということになるわけなんですが、それであれば、より品質の高い工事を実施していただくという観点からも、例えば技術評価点を30点にする。そして、価格評価点を70点にする。こういうようなことというのも、この標準モデルの中に範疇に入ってくると思うんですが、このあたりの視点から、技術評価点を30%にすることについて、市としてどのようにお考えか、伺いたいと思います。
○議長:宮田総務部長。
◎総務部長:技術評価点を30点とすることでございますけれども、価格評価の面におきまして競争性の低下を招くおそれがございますし、現状では20点が妥当であると考えておりますけれども、価格競争の激化は、先ほども申し上げましたが、総合評価入札の趣旨に反しているという面もございますので、価格と品質が総合的にすぐれた契約になるように、今後もその状況を注視してまいります。
○議長:雨宮議員。
◆雨宮 真吾:もちろんそうしていただくほかないんだろうという気がします。こうすれば100点満点の確実な入札が行われるとは、やはり思えません。その意味においては、その入札の動向、応札の動向がどういうふうになっているのか、こういった部分を引き続き注視していただきながら、適切な数字、その都度その都度における適切な数字というのを見出して、適宜変更を行っていく、加えていく、こういったことをしていただきたいと思います。
次の質問に移りたいと思います。最低制限価格の事前公表をやめない、この正当な理由について伺っていきたいと思います。私は、この質問は何度も実はしてきているんですが、過去にもです。改めて申し上げますと、平成28年3月18日付で改めて国から意思が示されたわけです。低入札価格調査における基準価格の見直し等についてという部分において、改めて事前公表は、これは取りやめるべきだよというふうに、国が言っているわけです。しかしながら、市としては入札時に内訳書の添付を義務づけるなど、対策を図っていますという答弁でございます。これは、安易な低入札者を牽制、排除するための対策であって、最低制限価格の事前公表を正当化する理由にはならないんじゃないかと、私は思っております。
また、答弁では、今後も引き続き検討を重ねという答弁でありました。私は、先ほど申し上げましたが、10年前初当選させていただいたときに、初めて取り扱った政策課題、これもやはり入札についての質問でございました。以来、10年間ずっと続けてきているわけなんですけれども、ずっとその間、いろいろ確かにありました。その後、事前公表をやめていくべきじゃないのかという提案も何度もしてまいりました。
そこで、市長に改めてお伺いいたしますが、それではこれまでどのような検討を重ねてこられて、今後というのは、これはいつまでのことを指すのか。事前公表をやめない、この部分についてお答えいただければと思います。
○議長:小泉市長。
◎小泉市長:現在の最低制限価格を事前公表とした一般競争入札におきましては、価格による競争により広く入札に参加する機会を提供しているということと、昨年度から導入しております総合評価方式による入札においては、低入札調査基準価格を事後公表として、価格と品質の2つの基準での競争が行われております。公正な競争による経済性を初め、地域経済の活性化、地元企業の育成なども視野に入れまして、多様な入札方式を取り入れている中で、バランスのとれた入札制度を実施していると考えております。このようなことから、最低制限価格につきましては、当分の間、事前公表を継続していきたいと考えております。
○議長:雨宮議員。
◆雨宮 真吾:何度も聞いてもこれはしょうがないんですけれども、今、市長はバランスのとれた入札制度を実施できているというお話でございました。そして、経済性を初め地域経済の活性化、これについてもしっかりできているというお話でございましたが、仄聞したところによると、既に小泉市長がご就任から様々な入札制度改革を行われていらっしゃいました。その結果と言うわけじゃないのかもしれません、様々なこれからの経済不況がありましたから、一概にそれが原因というわけではございませんが、11社のAクラスの建設業者が既に成田市で倒産しているという状況があるようでございます。この数字を聞くと、果たして本当にバランスのとれた入札というのが行われているのかという部分においては、非常に私は疑問を持っております。
だからこそ、国は毎年のように、先ほどの通知を改めてもう1回だけ読ませていただきますが、低入札価格調査の基準価格及び最低制限価格については、その事前公表により、当該近傍価格へ入札が誘導されるとともに、入札価格が同額の入札者のくじ引きによる落札等が増加する結果、適切な積算を行わずに入札を行った建設業者が受注する事態が生じるなど、建設業者の真の技術力・経営力による競争を損ねる弊害が生じ得ること。地域の建設業の経営をめぐる環境が極めて厳しい状況であることに鑑み、事前公表は取りやめ、契約締結後の公表とすることというふうに出ている。だからこそ、国がそういう通達を繰り返し繰り返し行っているんだろうというふうに思うわけであります。しかし、今、市長の答弁においては、当分の間、事前公表を継続していく。こういう答弁でございました。
しかし、一方でこの国の通知を見る限り、まさに成田市においても、このくじ引きが横行している事実からも、この国の懸念がまさに的中してしまっているのが、この成田市の実情ではないでしょうか。その意味においては、事業者育成の観点からも、当該制度を早期に見直すべきであると要望しておきたいと思います。
何より、当時、市長がこの段階に踏み切ったのが、平成23年の不祥事からであります。既にもう5年間経過しているわけであります。もちろん時の経過が全て洗い流すとは、私は思いません。しかし、小泉市長はその後、平成23年以降からさらに入札制度改革に取り組まれておられるわけで、この事前公表という部分においても、私は臆することなく県や国が実施しているように、事後公表へと持っていく。こういう政策判断を期待したいと思います。
次の質問に移ります。今年度から低入札価格調査基準の現場管理費、これが算入率が0.8から0.9、これに引き上げることに伴って、県も6月に引き上げたということでありました。そして、今回、改めて市長の答弁から10月1日と、すぐ来月ですよね。来月からすぐに適用いただけるという答弁をいただきました。これについては迅速な対応をありがたいというふうに思います。強いて言うならば、今回こうして指摘をさせていただいて、迅速に対応いただいたことは大変ありがたい一方で、国の改定がこれは4月であったことから、その意味では少しでも早く国と同等のレベルでスピード感を持って移行することができれば、工事管理費のほうも十分に、大した金額ではないというふうな判断はあるかもしれませんが、それでも1円でも多くそういった影響が出てくるわけですから、迅速な対応というのを今後ともお願いしたいと思います。これは要望というか意見とさせていただきまして、次の質問に移ります。
開札後における金入設計書の開示、これについてでございます。現状、成田市は工事終了後に情報公開請求をすればとれるというような状況になっているわけなんですけど、この金入設計書というのは、先ほども第1質問のときに申し上げましたが、入札参加者にとってみれば模範解答なわけでございます。例えば、自分がテストを受けたときに、テストが終わって1カ月後に模範解答を渡されても、何じゃらほいって感じになるわけです。できれば、テストが終わったらすぐ、その模範解答を見て、次は自分は何がいけなかったのか。それを踏まえて次の入札に移行する。こういう姿勢が私は必要なんだと思うんです。その意味では、現行の工事終了後の開示というのは、あまりにも遅いんじゃないかというふうに思うわけなんですが、契約締結後であれば、開示したことによって何か支障が生じるわけではありませんので、極力早いタイミングで金入設計書を開示していくべきだと思いますが、この点について見解を伺います。
○議長:宮田総務部長。
◎総務部長:公表の時期でございますが、契約締結後に公表している自治体もございますので、そのような事例を参考にいたしまして検討してまいりたいと存じます。
○議長:雨宮議員。
◆雨宮 真吾:このタイミングですぐやりますとはなかなか言いがたいだろうと思います。時代の流れとしては、これはすぐ開示していくという流れが出てきているかというふうに思います。これは、もちろん耐えなきゃいけないところも出てくるかと思います。職員の皆様方においては、なるほどとなってくるわけですから、これが工事現場で一緒に見られながら、その金入設計書はこういうふうになっているのかよというようなことを言われたりすることも出るのかもしれない。しかし、それはお互いの切磋琢磨によるもので、よりお互いを高め合うという意味においては、開札後すぐに金入設計書を開示していく。こういったことは必要になろうと思いますので、ぜひ早期に検討を進めていただいて、実施に向けて動いていただきたいと要望しておきたいと思います。
次なんですけれども、現状この金入設計書の開示方法が、情報公開制度を活用しないと開示していただけないという状況になっているわけでございます。これは、情報公開制度というのは、これは何なのかというのを少しだけちょっと読ませていただきますと、国民主権の理念にのっとり、行政情報を公開することによって、行政運営の透明性を高めるとともに、行政機関が行政運営についての説明責任を果たし、もって国民の知る権利を実現して、国民の的確な理解と批判のもとで、公正で民主的な行政の推進を図ろうとするところにある。行政情報の公表は、行政機関に説明責任を果たさせるとともに、国民が適切な行政参加と行政監視を可能にする民主行政の前提である。したがって、行政機関が公表すべき情報を公表しない場合に備え、国民には情報の開示を求めて行政情報にアクセスするシステムが用意されていなければならない。これが情報公開制度なわけです。これだけ重いものが情報公開制度であるということを踏まえれば、金入設計書がそれに相当する事案なのかということなんです。このことを思えば、市が行う契約の基礎情報となる設計書が、その対象に果たしてなるでしょうか。それを思えば、私はむしろ積極的にこれは公表していくことが、これは事業者の育成にもつながると思いますし、今後の開示については、よりスピーディーにしていただきたい一方で、より簡単に受け取ることができるようにすべきだと思いますが、この点についてご意見をいただきたいと思います。
○議長:宮田総務部長。
◎総務部長:県内の多くの自治体では、本市と同様に情報公開の請求に基づく手続によりまして公表をしておりますけれども、千葉県などその申請件数の増加によりまして、情報公開によらずに公表することを開始した自治体もございますので、公表の方法につきましても、検討をしてまいりたいと考えております。
○議長:雨宮議員。
◆雨宮 真吾:ありがとうございます。ぜひ、これは前向きに検討していただきたいと思います。やるんであれば、先ほどの開示のタイミングです。これとセットでやっていただけることで、効果を発揮するだろうと思います。
以上、質問をるるさせていただきました。この入札制度改革、これをやるということにこれはゴールがなくて、その都度、最適なものを選択していかなければならないという意味においては、小泉市長は本当にこの10年間、様々な制度改革に取り組まれていらっしゃいました。その一方で、大変残念な不正事件というのが、これが発生したことも事実であります。しかし、その一方で、だからといって本来あるべき入札の姿を損なうことなく、先ほど事前公表のあり方についてもそうですけれども、引き続き制度改革に取り組んでいただきたい。このように要望して、私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。