阿久根市にみる
今日は都内で自治体法についての勉強会に参加してきました。主に首長の権限と議会の権限について、また国と地方自治体における議院内閣制と二元代表制の解釈について話しが上ったのですが、目下話題となっている阿久根市についても議論されました。
●補正予算案を会期中に専決
そもそも専決処分というのは、地方自治法179条で定められており、首長が議会を召集する時間的余裕がなく、緊急性を要する場合などにのみ適用できるものですが、議会が開会中にもかかわらず、4日に特別会計を含む補正予算案を専決処分をしてしまいました。
首長には予算調整・提案権はありますが、その執行を許可するか否かについては、議決権を有する立法府、議会の権限であり、こうした専決処分は二元代表制を定める憲法違反であり、越権行為です。ですが罰則規定を設けているわけではありませんので、言葉は悪いですが”ヤリ得”という側面があります。
すでに、当該市長は失職しており職務代理者である副市長が行ったことですが、この方の指名についても当時市長が専決処分をして決定してしまった副市長です。
ちなみに、副市長は市長や議会のようにリコール対象にもなりませんので、次の市長が決まるまではある意味、最強の執行権者になります。
●市議会リコール請求 当面の混乱は避けられません。
昨年末にはこれまでの横暴を見かねた住民が解職請求を行い市長が失職したことで、一様に落ち着きを取り戻すかと思われましたが、昨日の報道によると、今度は市長派の住民団体が市議会のリコール請求を行い、市議会解散の是非を問う住民投票が2月20日に行われることになりました。
すでに有権者の半数近い署名が集まって請求されたこともあり、本件についても可決される公算が高く、投票の結果、過半数の賛成があると議会は解散され、市議会についても40日以内に出直し選挙が行われることになります。
●帰するは住民自治
専決処分をはじめとした市長の越権行為、独裁体制にNOを出し、今、市議会の機能にもNOを出す可能性が極めて高い状況の中、果たして阿久根市の向かう自治はどこにあるのかと憂えてなりません。
ですが、どの代表を今後の市長選挙、議会議員選挙(未決定)において選択するのかは、ほかでもない住民の方々です。その意味では、自分たちの住むまちのあり方を真剣に考え、誰に託すのかを選択、投票行動にあらわしてほしいと思います。
千葉県議会議員
雨宮 しんご
Shingo Amamiya
- 昭和53年(1978年) 10月31日生 血液型/B型(さそり座)
- はくと幼稚園・成田市立吾妻小学校
- 吾妻中学校・平成3年「少年の翼に入団」中国国際交流
- 千葉県立富里高等学校
- ニュージーランドPapakura High Schoolへ1年間留学
- 高千穂商科大学・明治大学公共政策大学院(修士)
- 成田市議会議員 4期
- 第41代 成田市議会議長
- 第17代 関東若手市議会議員の会 会長
- 第33代 成田商工会議所青年部 会長
- 成田青年会議所OB
- 千葉県中小企業家同友会東総支部
- 千葉県富里高等学校同窓会 会長
- 中学校PTA会長
- 日本サーフィン連盟公認インストラクター
- 海上安全指導員
- ※歴任を含む