アメリカ ポートランド国際空港を視察しました。
みなさんこんにちは、成田市議会議員の雨宮しんごです。
今日は午前中にポートランド国際空港を視察しました。
(川に面して整備されているポートランド国際空港。)
(騒音を解消できるように整備段階から検討されていたとのことです。)
ポートランド国際空港はアメリカのベストエアポートの常連でビジネストラベル賞にも何回も選ばれています。
その要因としては、中心市街地へ簡単にアクセスできるライトレールが整備されていること、無料Wifi、ローカルフードの充実、そして、観光客に嬉しいのが消費税なし、そして、空港会社が責任をもって販売店と協定を結び、空港出店に伴う上乗せ料金の設定が禁止されているリテール事業の展開があげられていました。
都心直結線の整備を国が責任をもって進めるべき
ライトレールの整備が評価、飛躍のカギであったことを踏まえると、成田空港が今後も日本の表玄関として国際空港の基幹的な役割を果たすためには、機能強化はもとより、都心との時間距離短縮のための政策を押し進めていかなければなりません。
都心と成田国際空港を結ぶ鉄道整備はまさに重要なカギであり、成田空港と東京駅を結ぶ都心直結線は成田国際空港の更なる機能強化として早急に実施すべき事業だと確信しました。
この都心直結化の課題は、関係地方公共団体等の役割分担や事業主体をどうするか。に尽きると思っています。
地元としては、国際空港としての基幹的役割を成田空港が果たすために、空港の更なる機能強化にむけて努力することに注力するため、都心直結線に関しては国がスケジュール感を持って主導すべきだと思います。
快適な空港整備の必要性を感じます。
ポートランド国際空港は、年間発着回数は22万8千回と成田国際空港ほどではありませんが、快適な空港としての評価から米国で2番目に急成長を遂げている空港ということでした。
徹底した顧客目線により、通年アンケートなどを通じて適所にソファーを設置、ユニバーサルデザイン、ピクトグラムが施されており、さらに利用者の利便性を図るために、空港会社が空港内でレンタカーサービスを行っていました。
また、地域の音楽家が各所で生演奏していたり、地域文化・芸術に親しむことができるスペース、テナント料を抑えて優先的に地元飲食店を展開しているなど、地域とのパートナーシップが図られていると感じました。
そして、無料ハリウッドシアターの整備や子どもの遊び場、ビジネスマン向けのワークプレイスも用意されているなど就航前に必要なあらゆる世代のニーズを具現化している印象を受けました。
成田国際空港はトランジット客が多く、空港滞在時間をいかに快適に過ごすことができるかは大変重要なファクターです。
国内においても例えば千歳空港では温泉や映画館が整備されるなど、空港でありながらエンターテイメント性も備わっています。いずれにしても、利用者のニーズを的確に捉えることで快適な空港づくりが進められるよう、成田国際空港株式会社(NAA)に対しても要請していきたいと思います。
世界一の騒音対策を
続いて、騒音対策についても伺いました。
ポートランド国際空港の騒音コンターは、昨今の航空機の性能向上により大幅に縮小しているため、それに順じて騒音対策エリアも縮小しているとのことでした。
基準は明確で、「65デシベルを超えていること」とのことでした。
(左が25年前の騒音区域 右が現在。すでに現在のコンター内には民家がないとのこと。)
それ以下の場合、対策は講じておらず、24時間空港のため夜間早朝はもちろん、飛行回数の増減があっても考慮していないということでした。
成田国際空港では、機能強化に向けて3本目滑走路の整備、B滑走路の延伸、夜間飛行制限の緩和といった提案がなされており、騒音コンターについてはこうした潮流に反し、むしろ拡大、集落分断が起こらないような柔軟な線引きが行われようとしています。
また、夜間飛行制限の緩和についても、騒音地域住民に配慮し、24時間運用にはせず、6時間の静穏時間を設けるとする案が提示されており、緩和に伴う積極的な補償制度の創設も検討されています。
成田空港のこうした地域共生・共栄策についてお話しをすると、「それはとてもすごい!
我々では到底考えられない。」と仰っていました。
成田空港建設には様々な経緯があったことから、ポートランド国際空港と成田国際空港の騒音対策と単純に比較することは困難ですが、この比較だけでもいかに成田が騒音地域住民に対して真摯に向き合い、具体的対策を講じようとしていることがわかります。
引き続き、丁寧な説明を実施することで、更なる機能強化への理解を深めていただきたいと思います。
空港と地域連携、空港を活かした街づくりを
成田市では、成田国際空港を核として医科大学付属病院の新設、農作物の輸出拠点の開設が進められようとしていますが、成田市だけの特区という概念ではなく、成田空港周辺を特別区域として空港周辺全体の都市計画の描く必要性を感じます。
医学部付属病院を核とした医療関連産業の集積の促進、日本産の農水産物等の「輸出ビジネス集積拠点」を形成すると共に、インバウンド需要を取り込み市場全体の活性化を目指す。
空港と成田の連携に終始するのではなく、空港圏として共に発展できる横断的な連携を周辺自治体と図っていくことがこれからの政策に必要であると考え、今後の政策提案に生かしていきたいと思います。
長くなったので、今日はこのあたりで失礼します。
千葉県議会議員
雨宮 しんご
Shingo Amamiya
- 昭和53年(1978年) 10月31日生 血液型/B型(さそり座)
- はくと幼稚園・成田市立吾妻小学校
- 吾妻中学校・平成3年「少年の翼に入団」中国国際交流
- 千葉県立富里高等学校
- ニュージーランドPapakura High Schoolへ1年間留学
- 高千穂商科大学・明治大学公共政策大学院(修士)
- 成田市議会議員 4期
- 第41代 成田市議会議長
- 第17代 関東若手市議会議員の会 会長
- 第33代 成田商工会議所青年部 会長
- 成田青年会議所OB
- 千葉県中小企業家同友会東総支部
- 千葉県富里高等学校同窓会 会長
- 中学校PTA会長
- 日本サーフィン連盟公認インストラクター
- 海上安全指導員
- ※歴任を含む