教育民生常任委員会視察 初日
教育民生常任委員会の行政視察に参加しています。
初日の今日は、岡山県総社市でオンデマンド交通について伺いました。
●オンデマンド交通
オンデマンド交通とは、乗り合い型タクシーを予約制で運行させることで、特に高齢者といった交通弱者と呼ばれる方々への通院や買い物などの交通手段として市が移送サービス事業を展開するものになります。
●成田市でも実験運行を開始
1回当たりの乗車料金を300円に設定し、成田市においても12月5日から一部地区(中郷・久住・豊住・下総地区)にて実験運行を行う予定で整備が進められています。
さて、視察先の総社市では「雪舟くん」という名称で本年4月から本格運行が開始していました。
●導入の背景
オンデマンド交通導入の背景としては、成田市もそうですが、総社市においても従来はコミュニティバスを運行させていたのですが、一部路線については利用者数が少なく不採算路線となっていたため、新たな交通サービスの検討の必要性に迫られたことにあるようです。
●総社市と成田市との大きな違い
成田市でスタートするオンデマンド交通と総社市との大きな違いとしては、成田市が「福祉交通施策」として位置付けていることに対し、総社市では「公共交通施策」としての位置付けていることにあります。
具体的には、成田市では担当課が高齢者福祉課になっている時点で明らかですが、想定しているのは70歳以上が利用可能となっており、3台で運行する予定となっています。
これに対し、総社市では一部不採算のコミュニティバスを廃止して9台を確保し、年齢制限なく登録すれば誰でも利用できるようにしています。
※利用状況としては60代が8割を占め、女性が8割を占めているようですが、間口を広く柔軟に対応しようという姿勢が違います。
●オンデマンド交通導入の留意点
いくつかの質問を飛ばしましたが、総社市が留意した点はとにかく利用者にとってわかりやすくシンプルな設計にしたこと、そして周知徹底に努めたとのことで、4ヶ月で地元説明会を174回こなしたとの答弁には、驚きを隠せませんでした。
●解決すべき問題点
個人的に一番懸念していたオンデマンド交通の導入による民業圧迫の影響について伺いましたが、当該事業をタクシー事業者、導入に伴い路線廃止したバス会社に委託を行ったようですが、オンデマンド交通の導入によりタクシーやバスの利用者が減り、10%~20%売り上げが減少したようです。
また、会社への影響に留まらず、業種として歩合制の強いタクシー運転手への打撃が顕著なようで悲鳴を上げている状態となっており、議会の一般質問や業界からの改善要望が挙げられ、現在対策を検討しているということでした。
他にも多くの質問を飛ばし回答を得てきましたが、先に述べましたように、同じ政策名称でありながら、政策的な位置付けがあまりにも違うことに気づき、成田市で予定するオンデマンド交通が、中途半端なものになってしまわないか危惧したところです。
この成果をしっかりと成田市に持ち帰り、市民の皆さまにとってより利用しやすい事業となるよう、議会としても声を上げていければと考えています。
千葉県議会議員
雨宮 しんご
Shingo Amamiya
- 昭和53年(1978年) 10月31日生 血液型/B型(さそり座)
- はくと幼稚園・成田市立吾妻小学校
- 吾妻中学校・平成3年「少年の翼に入団」中国国際交流
- 千葉県立富里高等学校
- ニュージーランドPapakura High Schoolへ1年間留学
- 高千穂商科大学・明治大学公共政策大学院(修士)
- 成田市議会議員 4期
- 第41代 成田市議会議長
- 第17代 関東若手市議会議員の会 会長
- 第33代 成田商工会議所青年部 会長
- 成田青年会議所OB
- 千葉県中小企業家同友会東総支部
- 千葉県富里高等学校同窓会 会長
- 中学校PTA会長
- 日本サーフィン連盟公認インストラクター
- 海上安全指導員
- ※歴任を含む