現市政下の成田市自身が、財政が決して健全ではないと理解しているのが事実です。さぁ、成田新時代を!
「選ばれるまち、成田新時代!」みなさんこんにちは、雨宮しんごです。
SNSやチラシなどにおいて市の財政について議論が交わされているので、わたしも少し書きたいと思います。
まずこちら。
現市政のもとで成田市がつくった令和四年度の当初予算概要からの抜粋です。
ご覧の通り、成田市自身も財政が決して健全ではないことを理解しています。
ですから、わたしは健全ではないと指摘しています。
これが大前提。
続いて、「広報なりた」について。
https://www.city.narita.chiba.jp/shisei/koho20221215.html
令和3年度決算を公表し、単純に歳入が735億437万円、歳出が696億832万円、差し引き38億9605万円で繰り越す財源6億4246万円を除いても「32億5359万円の黒字!」とありますが、これを額面通りに喜ぶのは、流石に早計と言わざるを得ません。
(くれぐれもですが、一般の市民の皆さま方にこの指摘は相当しません。)
こうした表面上の数値ではなく、細部にわたって見ていくべきことが議員には求められます。
広報なりた6ページに決算審査意見要約として、成田市監査委員から貴重な意見がよせられています。
①これまで本市は大規模事業を進めてきており、今後も多くの大規模事業を抱える一方で、コロナ禍による社会保障費などの扶助費や公債費等の義務的経費の増加が続くと見込まれることから、将来的な財政運営においては厳しさが増すものと推測される。
②市民満足度を重視した行政サービスの向上(質の改革)と、簡素で効率的、効果的な行政経営(量の改革)を基本方針として改革の歩みを継続していくことが必要であると思料する。
③「大規模工事を伴う新たな施設等の整備費にかかる説明責任について」として、多額の整備費により新たな施設を設置する場合、当該費用については特に市民の関心が寄せられる部分であり、十分な理解のもとで事業を進めるよう、その概略等を積極的に公表することにより説明責任を果たされたい。
ここで少し脇道にそれますが、監査委員より指摘のあった③の「大規模工事」というのは、まさにわたしが指摘している東小跡地のパークゴルフ場のことでしょう。
話しを戻します。
議員、少なくとも私がチェックしていたのは「公債費等の義務的経費の増加」という表に出てこない重要な数字です。
市債残高(市の借金)は施設整備の進捗に伴い、一般会計で500億円に届く水準です。
令和3年度末で487億6209万円、特別会計を含めた市債残高は令和2年度で713億円、令和3年度末で755億3913万円です。
公債費(元利償還金。市の借金返済額)は据置期間の終了に伴う元金償還の開始で増加傾向で、令和2年度で52億円、令和3年度末で61億9669万円です。
ここで成田市の財政指標を見ていきたいと思います。
財政指標というと小難しい名前ですが、ざっくりいうと、財政状況を測る「ものさし」とお考えてください。財政状況をどのような観点に立って測るかによって、さまざまな指標があります。
「経常収支比率」財政構造の弾力性を判断する指標です。税など毎年度経常的にどの程度充当しているかを表し、比率が高いほど公共施設の整備などの投資的経費に充てる財源が少なく財政運営が厳しくなります。
この10年間80%前後で推移してましたが令和2年度は88.5%、令和3年度は89.2%です。
「実質公債費比率」標準財政規模に占める実質的な公債費に費やした一般財源の割合の3カ年の平均値を言います。
平成26年は6.0%であったのが、令和2年には7.9%、令和3年には8.6%にまで上昇しています。
現市政は、「いずれの数字も類似団体と比較して低い水準として財政の健全性を確保している。」
と財政白書では評価しています。
ですが、例えば令和2年度の公債費負担比率は、成田市11.0%、県内平均11.8%ですが、佐倉市は7.7%、印西市は6.8%と、明らかに県内の先進市には遅れをとっています。
続いて「将来負担比率」です。
この指標が最も顕著な数値で、平成19年度決算から法律で新導入された4つの財政指標の1つです。
地方公共団体の借入金など、現在抱えている負債の大きさを、その地方公共団体の標準財政規模(市が標準的な状態で通常収入されるであろう一般財源の規模を示すもの)に対する割合で表したものになります。
現市政の令和2年度の将来負担比率は86.7%で、令和3年度は99.4%(↑写真は見込み値)、令和4年度には109.7%となる見込みです。
平成20年度は33.4%だったので、現市政による15年間で約3倍になっています。
それでも財政白書は良好な範囲で推移していると評価していますが全国の類似団体は50%強です。
周辺市町をみると佐倉市、四街道市、印西市は0%です。(R2年値)
これは明らかに成田市の負債が増え続け、財政状況が悪化していることを示しています。
数値にあるとおり、これが事実であり、とんでもありません!ではありません。
ですから、成田市の財政状況について今現在の数字だけを切り取って、都合よく全国平均より状況が良い!類似団体より良い!などと判断すること自体が、わたしはナンセンスだと思っています。
なぜなら成田市は、誰もが羨む悠久のまち成田山新勝寺があり、飛翔のまち成田空港があるからです。
こんなに資源に恵まれた素晴らしい街は全国を探しても他にありません。
成田市が、成田空港からの安定した固定資産税、法人市民税の恩恵を受け、稀にみる財政力を誇る市であったのは間違ありません。
それが、ここ十数年の市政により財政状況が悪化し、現在に至っています。
確かにコロナ対策等の支出もありましたが、大規模事業に対しての経営的な戦略が欠けていたと雨宮しんごは考えています。
具体的には、予算ベース21億円をかけてのパークゴルフ場で採算などをみていないという事実がそれを証明しています。
現在に至る傾向を踏まえ、俯瞰して現況を評価し、現在&未来の財政状況を客観的に把握すべきです。
ですから、表面的な数字で「黒字だから、大丈夫!」ではなく、雨宮しんごは、厳しい現実から目をそらさず、戦略をもち、果敢に課題に挑むことで静かに地盤沈下しつつある成田を、「選ばれるまち」として再生していきたいと思っています。
明日からも活動に励んでまいります。
今日も仲間たちに感謝です!!
千葉県議会議員
雨宮 しんご
Shingo Amamiya
- 昭和53年(1978年) 10月31日生 血液型/B型(さそり座)
- はくと幼稚園・成田市立吾妻小学校
- 吾妻中学校・平成3年「少年の翼に入団」中国国際交流
- 千葉県立富里高等学校
- ニュージーランドPapakura High Schoolへ1年間留学
- 高千穂商科大学・明治大学公共政策大学院(修士)
- 成田市議会議員 4期
- 第41代 成田市議会議長
- 第17代 関東若手市議会議員の会 会長
- 第33代 成田商工会議所青年部 会長
- 成田青年会議所OB
- 千葉県中小企業家同友会東総支部
- 千葉県富里高等学校同窓会 会長
- 中学校PTA会長
- 日本サーフィン連盟公認インストラクター
- 海上安全指導員
- ※歴任を含む