今こそ「コンプライアンス=法令順守」の認識をあらためるべき!!
焼き肉チェーン店の生肉ユッケで発生した腸菅出血性大腸菌「O111」による
集団食中毒により、死者4名、重症者24名でていることは、みなさまもご承知
のことかと思います。
国民の食の安全への信頼を失墜させる事件だけに、メディアは衛生基準の
不備や罰則規定がないといった食品衛生管理行政について指摘しています。
食品業界におけるコンプライアンス欠如によるこの種の事件は、過去にも、
雪印や不二家、赤福など多々あり、その度に食品衛生法の在り方が問われています。
ですが、個人的には食品衛生法をどれだけいじっても、
その穴をかいくぐった事件は再発するのではないかと考えています。
コンプライアンスというと多くの方が「法令順守」と思われるかと思いますが、
この基本的な概念、つまり、食品衛生業界も含め各界が、このコンプライアンスを
「現行法令を順守さえしていれば、コンプライアンスは達成されている」
という認識でいることが、こうした問題を引き起こしているのだと私は思うのです。
規制緩和が加速してきている今、事故が起きたからと関連法を雁字搦めにする
ことは可能ですが、それでは今の時流を失速させることになりますし、なにより
社会が機能しなくなってしまいます。
もちろん今回の事件については、不備への対応はすべきであり、
また規制したところで、それほど影響が出てくるとは思いません。
ですが、法令での規制を進める一方で、日本のすべての企業や会社は、
国家国民の社会的な要請に応えているということを再認識し、ただ安直に
「法令を遵守」するのではなく、各界それぞれが、コンプライアンスの在り方
について考えるべき時に来ているのではないでしょうか。