決して自民党に風が吹いたわけではない。
これだけの大勝利をした自民党ですが、比例代表の得票率をみると自民党への投票は27.66%でしかありません。これは、前回大敗を喫した26.73%から比べると自民党への支持は1ポイントプラスでしかありません。
一方で民主党は惨憺たる結果です。前回の比例代表の得票率が42.41%だったのに対し、今回は16.03%となっています。
では、前回の民主党の票はどこへ行ったのかというと、これは維新の会の20.37%、みんなの党の8.67%(前回4.27%)へと流れたと思われます。
つまり、今回の大勝は、自民党に風が吹いたのではなく民主党の地滑りによる勝利と言えます。
その意味では、自公連立による安定政権に浮かれることなく、選挙ではあまり語られなかった社会保障の問題、経済対策、少子高齢化対策や、財政の問題、外交問題など山積する課題への解決に尽力してほしいと思います。
ただ、それにしても小選挙区制の振れ幅の大きさには毎回驚かされます。
二大政党を求める選挙手法なので、片方がコケれば他方が議席をごっそりとるということは理解していますが、昨今のように多数の政党が生まれている事実を踏まえると、選挙制度についても検討する余地があるように思います。