児童虐待疑わしきは「1(イチ)8(ハヤ)9(ク)」連絡を!通報をためらう人が増えてしまうことの方が問題。
みなさんこんにちは、成田市議会議員の雨宮しんごです。
その泣き声は、甘えだろうか。命の叫びだろうか。
雨宮しんごブログ
「子ども虐待の防止は、児童相談所や市だけ行えるものではない。野田市の虐待死事件を受けて。」
https://www.ama-shin.net/blogs/policy/7500/
先日のブログに書いた野田市の痛ましい事件を受けて、政府が体罰禁止を法制化する動きのようです。
政府・与党、親の体罰禁止を法制化へ=DV相談機関と連携も
2019年02月26日22時09分 (時事ドットコム)政府・与党は26日、児童虐待防止対策を強化するため、今国会に提出する児童福祉法や児童虐待防止法の改正案に、親による体罰禁止を盛り込む方向で調整に入った。児童相談所(児相)とドメスティック・バイオレンス(DV)の相談機関が連携するほか、警察官・OBの児相への配置促進、全国の児相に医師を必ず置くよう定めることも検討。3月中旬の閣議決定を目指す。
厚生労働省は昨年末、法改正案に児相が親から子どもを引き離して保護する「介入」機能の強化などを盛り込む方針を決定。その後、千葉県野田市で小学4年の女児が死亡した事件を受け、さらに対策を強化することにした。
民法は、教育など必要な範囲で親が子どもを戒める懲戒権を認めている。だが、「しつけ」と称した虐待事件が相次いでいることを受け、政府は懲戒権の見直しに先行する形で、改正案に体罰禁止の規定を盛り込む方針だ。
3月中の閣議決定を目指すということでかなりのスピード感で法整備される見込みです。
報道によると、児童福祉法と児童虐待防止法の改正案を国会に提出し、親による体罰禁止を明記する方針となっていて、対応が批判の対象となった児童相談所などが対応する際の新たな仕組みも盛り込むことが検討されているということです。
少し調べてみました。
【児童虐待防止法】
(児童虐待に係る通告)
第六条 児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。
2 前項の規定による通告は、児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)第二十五条第一項の規定による通告とみなして、同法の規定を適用する。
3 刑法(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、第一項の規定による通告をする義務の遵守を妨げるものと解釈してはならない。
【児童福祉法】
第二十五条 要保護児童を発見した者は、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。ただし、罪を犯した満十四歳以上の児童については、この限りでない。この場合においては、これを家庭裁判所に通告しなければならない。
このように、児童虐待防止法、児童福祉法において実は、全国民が虐待されていると思われる児童を発見した場合は通報する義務を負っていることがわかります。
「じゃあ、何かあったら189へ連絡しよう!」となるかというと恐らく大半の方々が、むしろ戸惑うのではないでしょうか。
「しつけかもしれないしなぁ。」
「ご近所関係に溝ができたら嫌だなぁ。」
「誤報だったらどうしよう」
・・・。
そこで、児童相談所に実際のところどうなのか聞いてみました。
すると、189通報を受けると、職員は48時間以内に対象児童の特定を行い、子どもの氏名・年齢・家族構成はもちろん、どの保育園や小学校に通っているのかなど調査し、実際に現場に赴き安全確認が行われるとのことでした。
次に誤報だった場合・・・についてです。
わたしも、ブログなどで『189の活用を!』とみなさん促す一方で、実際わたしが「通報できるかな?」という不安もあります。
児童相談所の姿勢としては、「虐待かな?でも間違っていたら悪いからやめておこう」と、通報をためらう人が増えてしまうことの方が問題であり、番号が示唆する通り「1(イチ)8(ハヤ)9(ク)」連絡をしてほしいとのことです。
調査の結果、虐待の事実がなかった場合、もちろん通報された保護者からすれば
「誰が通報したのか。」
「近所からの通報であれば事実無根であったことを明確に伝えてほしい。」
といった声が出るのは当たり前のこと。
それでも、職員から通報者の情報が漏れることはおろか、通報が間違いであったことを近隣住民に対して説明することは一切ないということでした。
理由として、法律で規定されていることはもちろんですが、そんなことをしてしまえば「189」を悪用することでそのご家庭の情報をご近所が知りうる危険性も孕むからということです。
うーん。
気持ちはわかりますが、やはり通報された保護者の気持ちが晴れるには時間がかかりそうだなぁ、というのが正直な感想です。
ですが、最優先されるべきは、疑われた保護者ではなく、虐待されている可能性のある児童の安全確認であることを思うと、やはり、躊躇することなく、通報することが大切なのだと感じた次第です。
法整備がどの程度まで突っ込んだ内容になるのか期待する一方で、やはり私たちは一本の通報で助けられる命があり、救われる子どもがいるということをもう一度認識し、ためらうことなく疑わしい場合は「189」通報をするように心がけるべきなのだと思います。
二度とこうした悲しい事件が発生しませんように。
それではまた明日。
千葉県議会議員
雨宮 しんご
Shingo Amamiya
- 昭和53年(1978年) 10月31日生 血液型/B型(さそり座)
- はくと幼稚園・成田市立吾妻小学校
- 吾妻中学校・平成3年「少年の翼に入団」中国国際交流
- 千葉県立富里高等学校
- ニュージーランドPapakura High Schoolへ1年間留学
- 高千穂商科大学・明治大学公共政策大学院(修士)
- 成田市議会議員 4期
- 第41代 成田市議会議長
- 第17代 関東若手市議会議員の会 会長
- 第33代 成田商工会議所青年部 会長
- 成田青年会議所OB
- 千葉県中小企業家同友会東総支部
- 千葉県富里高等学校同窓会 会長
- 中学校PTA会長
- 日本サーフィン連盟公認インストラクター
- 海上安全指導員
- ※歴任を含む