自身の備忘録としても活用しているこのブログ。昨年の海外視察の資料を漁ろうと思っていたのですが、テキストに起こしていただけでブログに乗せていなかったので、この機会に。

ＡＨＡのイメージとしては、日本でいう医師会的な位置づけにあり、国内にある大小６０００病院のうち４０００以上の病院が所属している団体で、傘下に医療戦略マーケティングなど専門分野の協会、研究所、基金など９つの組織や、出版、ビデオ、セミナー事業を行う株式会社を要している。

主な活動としてはロビイストの色が強く、医療関係法案や条例改正のための政策提言や、そのためのリサーチ・アドバイスなどを行っているようであった。

日本のような国民皆保険制度と違いアメリカでは、高齢者及び障害者を対象にしたほとんど自己負担のない「メディケア」と低所得者を対象にした「メディケイド」があるが、その他の国民は主に民間医療保険の医療保障プランに加入しているため、国民の４，６００万人が民間の医療保険に加入できない無保険者で、年間４万４，０００人が医療保険未加入により医者にかかれず死亡している現状となっている。

こうした事態を受けて、オバマ大統領がまとめた医療保険改革法案、通称オバマケアにより、来年からは現在民間の医療保険に加入できないアメリカ国民の大半を、税金を使って民間の医療保険に強制加入させることで、医療保険加入率を９５％にまで引き上げようとしている。しかし野党共和党は依然として違憲であるという主張から廃案に持ち込もうとしているなど制度が安定していないことなどから、アメリカでの事業展開ではなく、あらたに日本という地への進出を模索する動きもあるため、今年の５月にアーカンソー州にある病院を訪れた経緯がある。

そこで、政界を含めて強力な影響力を及ぼすＡＨＡに対して日本進出を考える病院に対してサポートする姿勢があるかといった質疑をしたが、現状ではアメリカの医療に従事することが最優先という趣旨の答弁であった。

個人的には国内外を問わず、先進的な医療技術を持った病院機能を日本に、成田に誘致していくことに有用性を感じていることから、成田市のメリットを伝えながら引き続きＡＨＡをはじめとした関係機関との連携を強化していければと思う。