「妻に先立たれた男性」は認知症リスクが2.3倍に。千葉大学研究
みなさんこんにちは、千葉県議会議員の雨宮しんごです。
千葉大学と東京女子医科大学などの共同研究グループが発表した研究データを目にして、正直、しばらく考え込んでしまいました。配偶者を亡くした高齢男性は、死別後1年未満で認知症の発症リスクが2.3倍、死亡リスクが1.9倍に上昇するということです。
この数字は、日本老年学的評価研究(JAGES)のデータをもとに、全国の高齢者延べ約6万人を最長6年間追跡した、規模の大きな研究から導き出されたものです。
なぜ「男性だけ」これほどの差が出るのか
同じ研究で、もうひとつ注目すべきことが示されています。
女性は、配偶者を亡くしても、有意な認知症・死亡リスクの上昇が見られない。むしろ、幸福感や生活満足度が向上する傾向すら確認されていると言います。
男女でこれほどの差が生じる背景について、研究グループは「日本の高齢男性の多くが、家事・健康管理・情緒的つながりを妻に大きく依存してきた」ことを挙げています。
つまり、これは個人の問題ではなく、戦後日本が長年かけて形成してきた性別役割分担の構造的な帰結だと私は受け止めています。

「妻がいれば大丈夫だった男性」が、その支えを突然失った瞬間に、生活基盤と社会的なつながりを同時に喪失する。それが認知症や死亡リスクの急上昇として数字に表れているのだと考えると、この問題は非常に深刻だと思います。
「一律のケア」では届かない
従来の高齢者福祉は、「65歳以上」や「独居高齢者」という属性でざっくりとターゲットを設定してきました。ですが、今回のデータからは、「配偶者を亡くした直後(1年未満)の男性」という、はるかに絞り込んだハイリスク層を特定しています。
行政の財源・マンパワーは限られているので、これは「選択と集中」の機会かもしれません。
幸いなことに、配偶者の死亡は死亡届という形で自治体が確実に把握できます。その情報から、遺された配偶者、特に高齢男性への能動的なアウトリーチを仕組化することは、技術的には十分に可能だと思います。
「集いの場」では男性は来ない
もうひとつ。自治体が提供する「交流サロン」や「健康体操の集い」といった場は、参加者の大半が女性であるという現実があります。これは女性の方がコミュニティ形成が得意であることの表れでもありますが、裏を返せば、男性向けの施策がほとんど機能していないということでもあります。
その意味では、「おしゃべりの場」には足を向けにくい男性でも、自治会役員や青少年健全育成協議会など「役割」や「貢献できる場」があれば参加しやすくなるのではないかと思うので、地域の実情に合った関わり方を模索していく必要があると感じます。
いずれにしても、「女性向けの施策をそのまま男性に当てはめても機能しない」という認識は必要だと思います。
これは「予防医療」の問題でもある
死別後わずか1年で要介護状態や認知症に進行することは、本人のQOL(生活の質)の急激な低下であると同時に、自治体の医療費・介護給付費を大きく押し上げる要因にもなります。
死別直後の段階でメンタルケアや食事・生活支援に「軽微なコスト」を投じることは、その後に発生するはるかに大きな社会的コストを未然に防ぐ「予防医療」としても合理性がある気がします。

最後に
「老後は夫婦二人で」という言葉がありますが、これまでは、どちらかが先に逝った後のことを、あまり真剣に考えてこなかった社会設計だったと思います。
配偶者を亡くした高齢男性が孤立し、認知症になり、亡くなっていくというプロセスは、本人が「意志薄弱だから」でも「依存心が強いから」でもなく、社会構造がそうさせているのかもしれません。
これからも、こうした視点を持った孤立対策・福祉施策のあり方について、議論していきたいと思います。

っということで、今日はケーキ屋さんによって妻に感謝を伝えようと思います。(笑)
千葉県議会議員
雨宮 しんご
Shingo Amamiya
- 昭和53年(1978年) 10月31日生 血液型/B型(さそり座)
- はくと幼稚園・成田市立吾妻小学校
- 吾妻中学校・平成3年「少年の翼に入団」中国国際交流
- 千葉県立富里高等学校
- ニュージーランドPapakura High Schoolへ1年間留学
- 高千穂商科大学・明治大学公共政策大学院(修士)
- 成田市議会議員 4期
- 第41代 成田市議会議長
- 第17代 関東若手市議会議員の会 会長
- 第33代 成田商工会議所青年部 会長
- 成田青年会議所OB
- 成田ライオンズクラブ
- 千葉県中小企業家同友会東総支部
- 千葉県富里高等学校同窓会 会長
- 中学校PTA会長
- 日本サーフィン連盟公認インストラクター
- 海上安全指導員
- ※歴任を含む