議会活動

平成30年9月定例会議

平成30年9月定例会一般質問

1 学校のICT環境整備について

(1)学校のICT環境整備の現状及び2018年度以降の整備について

(2)学校のICT環境整備に係る新たな地方財政措置への対応は

(3)本市独自の判断により実施された学校のICT環境整備について

(4)ICT機器に頼らないプログラミング教育の実践について

(5)プログラミング教育の先行実施事例の検証及びその検証結果の活用は

2 小中学校の熱中症事故防止に対する取り組みについて

(1)運動会及び体育祭等、屋外での運動関連行事において講じる具体的な予防策について

(2)独立行政法人日本スポーツ振興センターや環境省が提供している熱中症の予防・対策に関する啓発資料の活用について

(3)各種活動の中止や延期、見直しなどの検討は行っているか

3 ブロック塀及び通学路等への安全対策等について

(1)学校や通学路におけるブロック塀の対策について

(2)学校施設外の危険ブロック塀の改修等について、どのような対策を講じているのか

(3)教育委員会だけではない各部局との連携・協力について

 

一般質問の内容

◆雨宮 真吾

 皆さん、こんにちは。政友クラブの雨宮真吾でございます。ただいまより成田市議会会議規則62条2項の規定により、議長に対して通告し受理された内容のとおり質問させていただきます。

 今回は、大きく3項目について、学校のICT環境整備について、そして小中学校の熱中症事故防止に対する取り組み、そしてブロック塀及び通学路等の安全対策などについて伺ってまいります。

 まず、1点目として学校のICT環境整備について。

 文部科学省は、平成30年7月12日付、30文科生第286号にて、「第3期教育振興基本計画を踏まえた、新学習指導要領実施に向けての学校のICT環境整備の推進について」と題する通知を、文部科学省生涯学習政策局長及び同省初等中等教育局長の連名で、各都道府県教育委員会教育長及び各指定都市教育委員会教育長宛に発出しています。

 本文書では、各都道府県教育委員会から域内の市区町村教育委員会へ周知がなされるよう依頼されているため、市教育委員会においても把握されていることかと思います。本文書は、学校のICT環境の整備状況について、大多数の学校において目標とする水準を達成していないため、新学習指導要領の全面実施に対応できず、結果、児童生徒の学習に支障を来すことを危惧する内容となっています。かかる事態を発生させないためにも、新学習指導要領において求められる学習活動を全ての学校において実現できるよう、各教科等の指導におけるICTを活用した学習場面を念頭に置き、学校のICT環境の整備や教員のICT活用指導力の向上に万全を期すよう、改めて依頼している内容となっております。

 なお、平成30年6月15日に閣議決定された第3期教育振興基本計画において、初等中等教育段階において、1、情報活用能力の育成、2、各教科等の指導におけるICT活用の促進、3、校務のICT化による教職員の業務負担軽減及び教育の質の向上、そして4として、それらを実現するための基盤となる学校のICT環境整備の促進に取り組むと明確化されており、新学習指導要領の全面実施にかける国のかたい決意ともとれる内容と理解をしております。

 さて、本市においては、当然に学校のICT環境整備が粛々と進められていると思いますので、国が懸念するような事態が発生しているとは思いませんが、先に紹介した通知が発出されることを踏まえると、教育予算を審議する立場として心配がないわけではありません。プログラミング教育やICT環境整備については、本年第1回議会定例会における大倉議員の質問によって、明らかにしていただいているところであります。そこで、今回、私の質問では、もっぱら本市における学校のICT環境の整備状況と、その整備による効果の検証について、より具体的に伺ってまいります。

 まず、先述の文部科学省発出文書の添付資料、「学校のICT環境整備の現状」を見ると、千葉県の整備率は、下位のグループにカテゴライズされています。しかし、この数値はあくまで千葉県下の学校の整備率の平均であり、本市の整備状況の率とは当然異なります。本市における学校のICT環境整備率について集計した直近の数値で差し支えありませんので、1点目として、教育用コンピューター1台当たりの児童生徒数、2、普通教室の無線LAN整備率及び普通教室の校内LANの整備率、3、超高速インターネット接続率、4、普通教室の電子黒板整備率について伺います。

 また、これらの項目については、本件添付資料に平成26年度から平成29年度の目標数値が記載されています。このように、国により整備目標が掲げられているものについて、その目標に達成していない項目について、なぜ達成していないのか、達成するまでの時間、期間はどれくらいなのか、どのような方法で達成させるのかをあわせて伺います。

 次に、添付資料、「「2018年度以降の学校におけるICT環境の整備方針」のポイント~これからの学習活動を支えるICT機器等と設置の考え方~」には、2018年度以降の整備すべきICT機器、整備対象、対象学校種等が明らかにされています。また、第2期教育振興基本計画、これは2012年から2017年における目標になりますが、には、新たに追加されたICT機器等もあります。そこで、本市におけるそれらのICT機器の整備状況について、整備された学校数、機器数などについて数値を伺います。

 次に、添付資料、「学校のICT環境整備に係る新たな地方財政措置」には、2018年度以降の学校におけるICT環境の整備方針で目標とされている水準が明記されていますが、本市における整備状況について、現在の具体的な整備率について伺います。

 また、この水準を達成するまでに要する期間及び達成する手段についても伺います。

 次に、同添付資料によると、2018年から2022年まで単年度1,805億円の地方財政措置を講ずるとされておりますが、この財政措置を踏まえ、本市では学校のICT環境整備に係る経費を今後どのように予算化していくのか伺います。

 次に、国からは、学校のICT環境整備について、様々な通知が発出されています。こういった整備に係る通知にとらわれることなく、本市がその独自の判断で、いわば先行して整備したICT機器も少なからずあると思われます。そこで、その整備状況について、対象学校数や導入機器、導入数など具体的な数値、事例についてお伺いいたします。

 次に、本市教育委員会の考え方として、必ずしもコンピューター機器を活用しなくても実施することが可能、既存の機器を活用しながらでも十分に対応できるとのことでしたので、コンピューター機器を活用せずに実施できるプログラミング教育の具体的事例について、あわせてプログラミング教育を行うに耐え得る既存の機器と、その具体的事例について伺います。

 次に、平成29年度において、本市小学校3校において試験的にプログラミング教育を実施したところ、いまだ十分な検証を行う段階に至ってないとのことでありましたが、本年度に入り既に半年が経過いたしましたので、その先行事例の検証結果について、またその結果を受けて、それを今後、本市のプログラミング教育にどのように生かしていこうと考えているのか伺います。

 次に、大項目の2点目として、小中学校の熱中症事故防止に対する取り組みについて伺ってまいります。

 総務省消防庁の発表によると、本年4月30日から8月5日にかけての熱中症による救急搬送数が、全国で7万1,266人となり、年間の搬送者数が、統計をとり始めた2008年以降で過去最多に、さらにこの期間の死者数は138人に上ったということであります。

 さて、本県での学校における熱中症事故は、例えば7月18日発生の松戸市立松戸高等学校での事故、こちらは6名搬送、内訳は3名中等症、3名軽症が発生しております。また、その前日である7月17日には、愛知県豊田市立梅坪小学校の1年生男児の熱中症による死亡事故が発生いたしました。これだけ熱中症に対して注意喚起が行われているのに、このような痛ましい事案が発生したことは、確かに他県の事案でありますが、まことに悔やみ切れません。

 なお、気象庁は7月23日、連日の猛暑を受けて異例の会見を開き、40度前後の暑さはこれまでに経験したことのない、命に危険があるような暑さ、一つの災害と認識しているとの見解を示しました。比喩的表現とはいえ、この酷暑が災害レベルにあることに、恐らく誰も異論はないと思います。この災害を受けて、平成30年5月15日付、30初健食第4号、「熱中症事故の防止について(依頼)」と題する通知が、文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課長名で発出されていると思います。また、同省ホームページには掲載されておりませんでしたが、平成30年7月4日及び同月18日付事務連絡において、「熱中症事故の防止について」と題する文書が、同省同局健康教育・食育課名で発出されていることと思います。

 国からの発出文書は様々あると思いますが、肝心なことは、これら国からの発出文書を本市教育委員会なりにそしゃくし、学校の管理下における熱中症事故をどのように予防し、また不幸にして発生してしまった場合、どのように迅速に対応するのかにあると思慮しております。つまり国からの通知文をコピーして、各学校に配付することが教育委員会の行う熱中症事故防止対策ではないはずであるということであります。そこで、本市教育委員会の熱中症事故防止対策について、以下のとおり質問いたします。

 まず、平成30年5月15日付の発出された文書である熱中症事故防止についての依頼、これを受けて本市教育委員会は、教育課程内外を問わず熱中症事故の防止のためにどのような措置を講じたのか。また、講じているのか。とりわけ、これから各校で実施されるであろう運動会及び体育祭等、野外での運動関係行事において講じる具体的な予防策について伺います。

 次に、熱中症対策については、関係機関が様々に啓発資料等を提供していますが、特に国が紹介をしている独立行政法人日本スポーツ振興センターで提供している熱中症予防啓発教材と環境省で提供している熱中症対策普及啓発資料について、本市教育委員会はどのように活用をしているのか。各学校での取り組み状況についてお伺いいたします。

 また、本市においても、独自に作成した教材や啓発資料等がありましたら、あわせてご紹介をよろしくお願いいたします。

 次に、文科省健康教育・食育課から発出の平成30年7月18日付事務連絡、「熱中症事故の防止について」によると、4つの項目について周知及び万全の対策を講ずるよう依頼がなされております。そこで、各学校が万全の対策を講じているのかどうか、本市教育委員会はどのように確認を行っているのか。また、4つの項目のうちの第1項目には、活動の中止や延期、見直し等、柔軟に対応を検討することとありますが、このことについて本市教育委員会が行った検討内容について、いつ、どこで、誰がどのような検討を行ったのか伺います。

 また、各種新聞報道によると、8月7日に文部科学省が熱中症防止のため、学校の夏休みの延長を必要に応じて検討するよう、全国の教育委員会などに通知をしたとのことですが、本市教育委員会はどのような検討をしたのか伺います。

 次に、大項目の3点目として、ブロック塀及び通学路等への安全対策等について伺います。

 本年6月18日に発生した大阪府北部を震源とする地震により、大阪府高槻市寿栄小学校において、プールのブロック塀が倒壊し、その壁に挟まれた女子児童が亡くなるという悲劇が起きたことは、まだ記憶に新しいです。安全と思われた学校施設、通学路において、愛する我が子を突然奪われたご遺族の深い悲しみは、到底余人の想像を許すところではありません。改めて、この女子児童の冥福を祈るとともに、本市にあっても、また我々を含め地方行政に携わる者は、このような悲劇を起こさぬことを誓わなければならないと思います。

 さて、学校施設下におけるブロック塀等の安全点検については、平成30年6月19日付、30文科施第112号、「学校におけるブロック塀等の安全点検等について(通知)」と題する文書が、文部科学省大臣官房文教施設企画部長及び同省初等中等教育局長の連名で、都道府県教育委員会教育長等へ発出されております。既に本市においても、各学校におけるブロック塀の安全点検等を実施され、その結果が本市ホームページに公開されております。安全点検に係る迅速な対応にまずもって感謝を申し上げる次第であります。

 ですが、安全点検を行うことが最終的な目的ではなく、その結果を受けて、何を行うのかが肝要であります。災害発生の有無にかかわらず、本市及び本市教育委員会は、常に児童生徒の安全確保について、その義務を負っているわけでございます。そこで、本市教育委員会における学校におけるブロック塀及び通学路等への安全対策について、以下について質問いたします。

 本市教育委員会ホームページによると、ブロック塀の安全点検を行ったところ、対応すべき箇所が見つかりました。市教育委員会では、早急にブロック塀の撤去や改修等を行ってまいりますとあります。当面の措置として、該当するブロック塀には注意喚起の張り紙をしていますとありますが、市民に向けて約束した早急にブロック塀の撤去や改修等を行ってまいりますについて、早急とは、いつまでに完了することとしているのか。該当校の撤去及び改修等のスケジュールがどうなっているのか。撤去及び改修等に係る経費については、どう予算措置を講ずるのかについて、具体的に答弁を求めます。

 次に、例えば野田市では、ブロック塀の改修等に係る経費を助成する仕組みをつくり上げております。内容は、本年7月13日公布、同月20日より施行された野田市私有ブロック塀安全診断費補助金交付規則であります。そこで、本市にあっては、学校施設外の危険ブロック塀の改修等について、どのような対策を講じているのか伺います。

 次に、危険発生箇所を学校施設や通学路と限定すると、その責任や対応は教育委員会に集中してしまいますが、危険は学校施設外でも起こり得ますし、被害にあっては児童生徒に限定されるわけではありません。例えば、通学路は一般市民も当然に使用するわけであり、一旦危険が発生すれば、一般市民もその被害者となり得ます。そうなると、本件については、教育委員会だけで対応するのは限界があり、また教育委員会のみが対応すればいいという事案ではないはずです。さらに言えば、危険を発生させるのは老朽化した、また違法なブロック塀だけとは限りません。その対応は、当然に関係各部署の連携、協力が不可欠であります。

 そこで、本市教育委員会は、学校施設外や通学路上でも発生し得る危険への予防、対策について、どのように市長部局と連携、協力体制をとっているのか。また、市長部局からは、どのような連携、協力を本市教育委員会に行っているのか伺います。

 以上で、壇上からの質問とし、答弁によって自席から再質問いたします。


○伊藤竹夫議長

 小泉市長。

 〔市長 小泉一成君登壇〕

◎市長(小泉一成君)

 雨宮議員のブロック塀及び通学路等への安全対策等についてのご質問にお答えいたします。

 まず、学校施設外の危険ブロック塀の改修について、どのような対策を講じているのかとのことでありますが、本市では、市のホームページや広報なりたにおいて、ブロック塀の安全基準や相談先を掲載し、安全対策について市民の皆様へご協力をお願いしております。また、月に1回開催している住宅耐震相談会においても、建築士への相談などが可能であることを8月1日付の区長回覧にてお知らせしております。

 これにより、市民から倒壊のおそれのある危険なブロック塀の相談が寄せられた場合には、建築基準法で定められた基準に基づき安全点検を行うとともに、当該塀が所定の規定に適合していない場合には、構造基準や補強方法が記載されたパンフレットをお渡しし、安全対策について指導及び助言を行っております。また、改修などに係る経費を助成する制度についてでありますが、成田市耐震改修促進計画では、危険なブロック塀の撤去や生垣への改修を推奨するなど改善の指導を行うこととしておりますので、今後、制度の内容などについて他市町村の状況を確認し、調査・研究をしてまいります。

 次に、教育委員会との連携・協力体制についてでありますが、通学路などにおいて危険と思われるブロック塀等の情報が寄せられた場合には、土木部職員が現地調査をした後に、状況に応じて、その位置や危険性などの情報を教育委員会に提供しております。また、教育委員会から危険と思われるブロック塀などの相談があった場合には、土木部において安全点検を行い、状況に応じて、所有者に点検や改善のお願いをしているところであります。今後も、教育委員会と連携・協力を図り、安全点検等について対応してまいります。

 なお、学校のICT環境整備及び熱中症事故防止、並びにブロック塀及び通学路等の安全対策等に関するご質問につきましては、教育長よりご答弁申し上げます。


○伊藤竹夫議長

 関川教育長。

 〔教育長 関川義雄君登壇〕

◎教育長(関川義雄君)

 私からは、学校のICT環境整備についてのご質問からお答えいたします。

 まず、学校のICT環境整備の現状及び本年度以降の整備についてでありますが、本市では、これまで各学校のコンピューター教室には最大39台のデスクトップ型のパソコンの設置を初め、普通教室などには大型提示装置として50インチの大型テレビを配置するとともに、大型テレビに様々なものを映し出すことができ、持ち運びが可能な書画カメラなどの導入も進めており、それらに加えて、平成28年度からは普通教室でもICT機器を活用した授業を展開するため、タブレット端末及びタブレット端末でインターネットに接続できるよう、普通教室などへの無線LAN環境を新たに整備しております。

 また、本年3月における本市のICT環境の整備率につきましては、教育用コンピューター1台当たりの児童生徒数は7.3人、普通教室までの有線LAN整備率は34校中19校で56%となっており、無線LAN整備率につきましては34校中5校の15%となっております。その他、ネットワーク回線につきましては全校において光ファイバー回線にて接続をしており、インターネットとの接続については超高速回線を全学校で共用しております。

 なお、電子黒板につきましては、1学校当たり1.1台の整備率でありますが、各学校に整備している授業支援システムが使えるタブレット端末やノートパソコンを大型テレビに接続させることにより、電子黒板と同程度の機能を実現できることから、本市では大型テレビを普通教室などに整備しております。

 次に、国が第2期教育振興基本計画で整備目標としている水準は、教育用コンピューター1台当たり児童生徒数3.6人、超高速インターネット接続率及び普通教室の無線LAN整備率100%などが示されております。それらに対する本市の整備状況としては、全ての目標水準には達しておりませんが、コンピューター教室では1クラスの児童生徒1人に1台の環境を整えており、パソコン1台当たりの児童生徒数では全国平均レベルであり、県内においても平均以上の整備状況となっております。

 今後につきましては、現在、タブレット端末及びLANの整備を行うなど、計画的にICT環境の整備を進めているところであり、まずは平成28年度より5カ年計画で進めているタブレット端末等の整備を最優先に進めてまいります。

 次に、昨年12月に新たに国から示された本年度以降の学校におけるICT環境の整備方針で目標とされている水準でありますが、教育用コンピューターは、3クラスに1クラス分程度の整備が適当であると配置基準などの変更がなされたほか、新たに教員が授業で使用するための指導者用コンピューター1人1台の整備などが加わりました。

 また、新たに加わった指導者用コンピューターの本市における整備状況でありますが、現在、タブレット端末の整備とあわせて、教員が授業で使うためのノートパソコン1台を各校に順次整備しているところであります。この新たな国の方針につきましては、現時点では高い目標水準となりますので、まずは2020年までの整備を確実に進め、導入した機器の活用状況も考慮しながら、2021年度以降の整備内容を検討してまいりたいと考えております。

 次に、学校のICT環境整備に係る新たな地方財政措置への対応についてでありますが、国では整備状況の地域差を解消するため必要な経費は地方財政措置を講じるとしておりますが、交付税措置としていますので、不交付団体の本市においては引き続き自主財源により整備を進めることになります。

 次に、本市独自の判断により実施された学校のICT環境整備についてでありますが、本市の整備において他市より先行して導入した機器はありませんが、単に機器を導入するだけでなく、教員が授業で機器を活用する際に大型テレビにタブレット端末などの画面を表示させたり、児童生徒が操作する端末を教員が制御することができる授業支援システムを導入するとともに、ICT支援員を派遣して、タブレット端末などを用いた授業における操作支援、企画や資料作成などの運用サポートを行うなど、教員の負担軽減及び機器の活用促進を図っているところであります。

 次に、ICT機器に頼らないプログラミング教育の実践についてでありますが、新学習指導要領では、プログラミング教育の目的は、プログラミング言語を覚えたり技能を習得することではなく、プログラミング的思考、すなわち物事には手順があり、手順を踏むと物事をうまく解決できるといったことを論理的に考えていく力を養うことにあるとされております。このことから、従来の算数・数学科の作図や国語科の作文等において、児童生徒が主体的に情報を取捨選択し、論理的に組み立て、解決に向かう学習についても、プログラミング的思考を育むことにつながると認識しております。

 次に、プログラミング教育の先行実施事例の検証及びその検証結果の活用はとのことでありますが、昨年度、小学校3校で、コンピューターやタブレットを活用し、命令を組み合わせて、自分の意図する動きを実現させる学習を行うため、プログラミングソフト・スクラッチなどを活用した授業を行いました。

 本年度は、4月に各学校の情報教育担当者による研修会でスクラッチを活用した授業展開について実際に体験を行い、プログラミング授業の構成の仕方についての一例を市内全校に提示しました。また、7月には同じく情報教育担当者研修会で、タブレットを活用した授業研究会を実施し、児童生徒の理解をより深めるための活用の工夫や、活用の際の配慮事項について意見交換を行いました。

 しかしながら、コンピューターを活用したプログラミングの学習内容を現在行っている授業に組み込むには検討を要するため、各学校におけるコンピューターを活用したプログラミング学習の計画的な実施には至っておりません。このことから、来年度はスクラッチに加え、文部科学省が開発したプログラミングソフト・プログラミンについても、まずは情報教育担当者を対象に伝達講習を行う予定であり、これらのツールを授業の中に積極的に取り入れ、手軽に活用できることを実感させることにより、児童生徒がプログラミングを体験できるよう取り組んでまいります。

 次に、小中学校の熱中症事故防止に対する取り組みについてのご質問にお答えいたします。

 まず、運動会及び体育祭など、屋外での運動関連行事において講じる具体的な予防策についてでありますが、本市においても、国や県からの熱中症事故の防止についての通知を受け、児童生徒の安全確保を最優先に適切な対応をするよう、各学校へ指導をしております。

 具体的には、成田市校長会議や教頭会議及び市内養護教諭研修会を通じて、各学校に対し、屋内外にかかわらず長時間の運動や部活動を行うときは、こまめに水分を補給し適宜休憩を入れること、活動前後や活動中には健康観察を十分に行うこと、直射日光の当たる場所では帽子を着用することなどについて周知徹底し、確実に実施するよう指導しております。

 これらを受け、各学校では児童生徒及び保護者に対し、水分補給として、熱中症予防に効果的な塩分やミネラルを補給できるものを推奨し、水筒の持参を呼びかけております。体育祭、運動会を初めとする屋外で行われる学校行事におきましては、日差しが強い時間帯を避けるなど、屋外での活動を制限したり、運動場に日陰をつくるためのテントの設置を行ったりするなど、気候や児童生徒の疲労状態を考慮した適切な対応に努めております。

 また、本年度は、1学期の終業式を実施するに当たり、式の時間短縮を図ったり、エアコンが設置されている教室で、校内放送を使って式を行うなど、熱中症予防に配慮して実施するよう各学校に通知し、その実施状況について取りまとめを行い、熱中症予防対策の徹底を図りました。2学期の始業式においても、同様の措置を講じたところであります。

 次に、独立行政法人日本スポーツ振興センターや環境省から提供されている、熱中症対策普及啓発資料の活用についてでありますが、熱中症事故防止に関する学校への通知文の中に、参考資料として環境省熱中症予防サイト並びに日本スポーツ振興センターのホームページの案内を掲載し、注意喚起をしております。

 また、本市教育委員会では、独自に健康被害発生時対応マニュアルや成田市部活動ガイドラインを作成し、熱中症対策普及啓発資料などをもとにした熱中症の予防、対応策を掲載して教職員への指導の徹底に努めております。各学校では児童生徒に対し、掲示物や校内放送などで熱中症事故の症状や対応について指導するとともに、各家庭にも保健だよりなどの啓発資料を配付し、熱中症事故への理解を深めていただくなど、未然防止に向けた取り組みを行っているところであります。

 次に、各種活動の中止や延期、見直しなどの検討は行っているかとのことでありますが、熱中症事故の防止については、この夏の記録的な猛暑の状況を踏まえ、学校に対し児童生徒の安全確保を最優先に考えた適切な措置を講ずるよう指導してまいりました。また、本年7月18日付文部科学省の事務連絡、「熱中症事故の防止について」の内容を受け、各学校に対しては、これまで行ってきた各種活動や学校行事などについて、活動の中止や延期、見直しなど、柔軟に対応を検討するよう求めたところであります。

 なお、先月7日付で文部科学省から通知された、「学校の夏季における休業日に関する児童生徒等の健康確保に向けた対応等について」においては、空調設備の整備状況なども加味し必要に応じて夏休みの延長などの柔軟な対応が求められたところであります。本市の小中学校及び義務教育学校におきましては、全ての学校の普通教室にエアコンが設置されており、熱中症対策に配慮した学校活動を行えることから、夏休みの期間を延長する措置を講ずるには至っておりません。

 次に、学校や通学路におけるブロック塀の対策についてのご質問にお答えいたします。

 まず、学校のブロック塀の対応についてでありますが、本年6月に大阪府北部を震源とする地震により塀が倒壊したことを受け、直ちに本市の小学校、中学校及び義務教育学校のブロック塀について、外観による安全点検を実施したところ、プール入り口の壁や投てき板などにおいて、高さが2.2メートルを超えるものや控え壁のないものなど、計6校9カ所において早急に対応すべき箇所が見つかったことから、撤去及び改修に向けて取り組みを開始いたしました。

 該当校の撤去及び改修等のスケジュールにつきましては、これまでに5校5カ所においてブロック塀の撤去を終えており、残りの塀につきましても本年度のできるだけ早い時期に対応したいと考えております。改修等が必要なものについては、卒業記念品であったり、設計に時間を要するもの等であったことから、必要な予算を確保して来年度までに改修を行い、施設の安全を確保してまいります。

 次に、通学路におけるブロック塀の対策についてでありますが、教育委員会では、各学校から寄せられた児童生徒の登下校の安全確保に関する要望書をもとに、交通管理者、道路管理者、成田市校長会、成田市PTA連絡協議会が出席のもと、成田市通学路安全推進連絡協議会を開催しております。この協議会を通して、通学路における危険箇所の把握に努めてまいりましたが、その多くが交通安全や防犯に関する案件でしたので、今後はブロック塀等に関しても、危険と思われる箇所の把握に努め、市長部局に情報提供を行い、対応を依頼してまいります。

 また、教育委員会では、大規模地震があった場合の対応を児童生徒に周知するための資料を作成し、学校に配付しております。学校では、この資料を活用して、ブロック塀の倒壊を含めた具体的な場面を児童生徒に示し、大規模地震を想定した安全教育を行っております。

 次に、通学路における市長部局との連携・協力体制についてでありますが、市長部局による安全点検を受け、危険と思われるブロック塀などの情報が提供された場合には、通学路に該当箇所がある学校に知らせ、学校が危険箇所として把握するとともに、児童生徒の発達段階や状況に応じた安全指導を行っております。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 それでは、ICTのほうから再質問していきたいと思います。

 市全体で整備率の答弁があって、県平均よりは比較的高目になるだろう。また、全国平均的にいくんではないかというような話がありましたが、ただ本市内の小中学校の個別の整備率については不明ですので、最も高い整備率の学校と最も低い整備率の学校で、どれほどの差が生じているのか。また、その格差を解消するために、今後どのような方策を講じていこうと考えているのか伺います。


○伊藤竹夫議長

 宮崎教育部長。

◎教育部長(宮崎由紀男君)

 本市では、計画的、段階的に整備を進めておりますので、まず未整備の学校におきましては、各学校に整備されているコンピューター教室のパソコン等を活用していただくことになりますけれども、タブレット端末の整備につきましては、1クラスの2人に1台分で最大20台をコンピューター教室等にある機器類のリース期間満了に合わせまして、5カ年で整備を進めております。また、3年目となる本年度の整備によりまして、小中学校34校のうち8校と、義務教育学校1校へのタブレット端末及び無線LAN環境の整備が完了しております。残り2カ年で全校への整備が完了する予定となっております。

 以上です。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 私が確認したのは、高いところと低いところにどれだけ差があるんだということと、それをどうやって埋めていくのかということなんですが、今スケジュール感をお伝えいただいたんで何となく理解できましたけれども、いずれにしても国が示す水準には達していないということでの答弁でありましたが、国の示す水準に到達せざるを得ない状況下の中で、達していませんというふうに答弁してしまうと、達する気がないのか、達することができないのか。予算の問題、もろもろあると思うんですが、この後聞いていきますけれども、改めてこの国の示す水準に達していないという理由について、明確にお答えいただければと思います。


○伊藤竹夫議長

 宮崎教育部長。

◎教育部長(宮崎由紀男君)

 国の目標水準を目指して整備を進めているところでございますが、先ほどもご説明をさせていただきましたように、段階的に整備を進めているところでございます。まずは授業で効果的に活用できる機器構成での整備を進めております。国の目標水準には達していない状況でございます。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 そうすると、タブレット端末を最優先に進めていくんだということでお話がありました。2016年、2年前から5カ年計画で進めているということですが、これは5カ年計画ということで、今後予定する項目全て達成できるという趣旨の答弁でいいのかというところの確認と、そもそもその第2期の教育振興基本計画で整備目標としている国の水準、これについてはいつ達成できるという見込みなのか、お知らせいただければと思います。


○伊藤竹夫議長

 宮崎教育部長。

◎教育部長(宮崎由紀男君)

 現在進めている計画につきましては、順調に進んでいるところでございます。最終年度の2020年度までに計画のほうは十分達成できると見込んでおります。また、国が昨年12月に策定しました2018年度以降のICT環境の整備方針におきまして、第2期教育振興基本計画の目標水準に新たな追加基準が上乗せされたところでございますので、現時点で目標達成の時期を申し上げることは難しいところでございますけれども、今後も目標達成に向けまして計画的に取り組んでまいります。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 答弁のほうで、導入した機器の活用状況も考慮していきながら、今度2021年度以降の整備内容について検討していくんだということで、とりあえずはこの5カ年の計画で進めていくんだというお話でありましたが、そうすると、この2021年度以降の整備内容については、いつから具体的な検討を行って、そしてそれをいつまでに整備方針をかためていくのか、この点について伺います。


○伊藤竹夫議長

 宮崎教育部長。

◎教育部長(宮崎由紀男君)

 現在、その導入した機器の活用状況も考慮しながらということで、単に機器を整備するということだけでなく、既存のコンピューター教室のデスクトップ端末、または現在整備を進めておりますタブレット端末の利用状況、さらにはICT環境を行う教員側の習熟度などを総合的に検討しながら進めているということでございます。

 2021年度以降の整備方針につきましては、現在整備している機器の活用状況を踏まえまして検討する予定ではございますが、現時点ではまだ整備済みの学校数が少ないという状況でございますので、来年度における各校での活用状況を確認した上で、2020年度に新たな整備内容を検討してまいりたいと考えております。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 皆様のお手元にも、資料をちょっと配らせていただきましたが、国が1,800億円かけて整備を進めていこうと、整備を進めてくれということで話をしている状況があるわけですね。ただ、現時点において、成田市としては不交付団体であるから自主財源で全部整備を進めていかざるを得ないんだということでありました。

 しかし、国が定める水準にわざわざ自治体が持っていくということを思えば、我々は国はそもそも交付団体であろうが不交付団体であろうが、そのことは関係なくしっかりと財源を確保して、そしてそれをもって市としても、我々成田市としても整備を進捗させていく。こういうことが本来求められるんだろうと思うんですが、財源確保に向けた働きかけというのは、市長部局を含め行っているのかということと、そういったことを踏まえて、また国の補助金を使えるものがないのかというのを精査した上で、今回の自主財源でやっていくしかないんだという結論に至っているのか、この点について伺います。


○伊藤竹夫議長

 宮崎教育部長。

◎教育部長(宮崎由紀男君)

 ICT機器の整備につきましては、補助金等の有無について調査した上で現在整備を進めております。今後も活用できる補助金につきまして、確認を行いながら国の水準を目指して計画的、段階的に整備を進めてまいりたいと考えております。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 計画的、段階的ということだったんですが、業務の遂行に当たってはやはり計画が必要で、そうすると、各自治体に今、国って、ICT環境整備計画というのをこれは策定しなさいというふうに、今強く求められているわけですよね。これというのは、私が見た限りでは、成田市のほうになかったのかという気がしたんですが、これについての整備はもうなされていますか。


○伊藤竹夫議長

 宮崎教育部長。

◎教育部長(宮崎由紀男君)

 整備計画という形でのものはございませんけれども、あくまでその長期的な計画の中で整備を行っているところでございます。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 これを見ると、練馬区なんかは一番初めに出てくるんですが、ICT環境整備計画をつくっているんです。先日、市のほうからどういう形で整備をして進めていこうと、進捗させていこうかというふうなものを見せていただきました。そうすると、優先的に進めていくという答弁が教育長からありましたこのタブレットの整備、これについては一番初めが美郷台グループなんですよね。でも、最後の遠山小グループは4年間、これ2つで差が出てしまうんです。

 そうすると、じゃ美郷台小学校はすぐできて、遠山小グループについては4年後になってしまうということの整理、整合性は、これは本当にとれるのかというところに私は疑問が出るんです。だからこそ、そういうことに対しての不満だとかが上がってこないように、こういう計画のもとに進めていくから、こういう順序なんだというふうな説明ができるんではないかというふうに思いますので、ICT環境整備計画については、ぜひ策定に向けて動いていただきたい。これは要請しておきます。

 続いて、このICTの環境整備、これは非常に高い目標値であるというのは、私も見ていて認識しています。そこから少し楽になったという気もするんですが、それでもなお実現するには高い整備計画が、国から水準は示してきているということを踏まえると、これはどう考えても教育委員会だけでどうにかこうにかできるような問題ではないんです。そうすると、財政上の措置について、やはり市長部局が何とかこれをしていくしかないわけで、そうすると、この今教育部局としては、基本的に予算の編成権、調製権がないわけですから、総合教育会議の中で進めていくしかないということになると思うんですが、これは総合教育会議の中で、ICTに関して例えば市長部局と、このぐらいの予算を今この水準を求められているから、このぐらいの予算をとっていくしかないんだけれどもどうだろうという、そういった議論というのは、これまでに行われているんでしょうか。


○伊藤竹夫議長

 宮崎教育部長。

◎教育部長(宮崎由紀男君)

 これまでその具体的な中身についての議論ということは、まだこれまで実際には行っておりません。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 今後されていくということでよろしいですか。


○伊藤竹夫議長

 宮崎教育部長。

◎教育部長(宮崎由紀男君)

 その辺については、また検討しながら進めていきたいというふうに思います。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 繰り返しになりますけれども、非常に高い水準が求められていて、国が各自治体にやりなさいと言ってきていると。ただ、予算はない。国としては1,800億円つける。だけど不交付団体だから成田市は自主財源でやらなきゃいけない。そうなると、市長部局との調整が必須になるわけですよね。現時点においては、ICTの環境整備計画もないということを思うと、果たしてこのICTへの取り組みというのが、果たして成田市はやる意思及び予算づけを踏まえて、あるのかということを疑われてもしようがない状況にあるんだろうというふうに思います。

 もちろん国が非常に高い水準、目標を言ってきているんで、なかなかそれに応えるだけでも苦しいんだという思いは重々わかるんですけれども、それでも国が示した水準にたどりつこうと、到達しようという意思でいくんであれば、やはりそのぐらいの気概を持って市長部局との調整を図り、そして児童生徒にとって必要な環境を整えていただきたいというふうに、これは要望しておきます。

 次に、熱中症に関する案件について質問をしてまいります。運動会、体育祭についての屋外行事については、日差しが強い時間を避ける。そして、日陰用テントの設置ということでの答弁がありました。これは、教育委員会が各学校に指示、指導したものであるのか。それとも、これは各学校長の判断なのかについて伺います。


○伊藤竹夫議長

 宮崎教育部長。

◎教育部長(宮崎由紀男君)

 体育祭、運動会等の屋外行事での熱中症事故防止に対する対応につきましては、各学校の児童生徒数あるいは規模等、状況に応じまして各学校長の判断において実施をされているところでございます。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 そうすると、これは各学校に対応の差が出てくる可能性というのは、非常に出てくるんだろうという気がいたします。例えば、ある学校はテントを設置しているけれども、ある学校については設置していないというような状態というのは、決して生じさせてはならないというふうに思うんですが、仮に対応に差が発生した場合、もしくはし得る場合について、教育委員会としてはどのような対応を講じているのか伺います。


○伊藤竹夫議長

 宮崎教育部長。

◎教育部長(宮崎由紀男君)

 先ほどの答弁とかぶりますけれども、各学校ではその屋外行事等の実施内容に応じまして、その必要とするテントを設置するということで、適切に対応しているところでございますけれども、仮にそのテントの数に不足が生じた場合などは、その近隣学校から借りるなどの対応を図って、適正に努めているところでございます。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 もう質問はしないんですけれども、このあたりにどうやら対応に差が各学校はあるんだということで、私のほうは話を伺っておりますので、対応に差があるというと語弊があるのかな、対応に違いがあるというところですね。があるようなので、その辺については、追って確認いただきたいというふうに思うのと、今後どういう対応を各学校がやっているのかというのについては、教育委員会としては把握をされたほうがいいんではないかというふうに個人的には思います。こうして聞かれたときに答えられるようにして損はないというふうに思いますので、そのあたりは調整いただければと思います。

 続いて、1学期の終業式、そして2学期の始業式においても同様の対応をとられたということで、式の時間短縮を図ったりエアコンの設置がされている教室で、校内放送を行って式が行われるということで、非常にすばらしい徹底がなされているんだというふうに思いますが、これについては今後も実施されるという認識でいいのかということと、これについては教育委員会がやられるということなので、各学校において、先ほどの熱中症の運動会とか体育祭のときのような差が生じるというようなことは発生しないだろうというふうに思うんですが、このあたりについての指導というものも、ひとしく教育委員会としては行っているんだということでよろしいでしょうか。


○伊藤竹夫議長

 宮崎教育部長。

◎教育部長(宮崎由紀男君)

 1学期の終業式実施に当たってのその熱中症予防対策の徹底の対応と、こちらにつきましては、全ての学校で児童生徒の健康と安全面に配慮しまして、各学校の規模、また施設の状況等に応じて、それぞれ工夫して実施をしたところでございます。今後におきましても、児童生徒の健康、安全面を最優先にした適切な対応をするよう、各学校に対して教育委員会としても指導してまいりたいと考えております。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 この学校に対して、児童生徒の安全確保を最優先に考えた適切な措置を講ずるように指導をされたということなんですが、具体的にはどういう内容なのかということです。また、その時期も含めてちょっとお伺いできればと思います。


○伊藤竹夫議長

 宮崎教育部長。

◎教育部長(宮崎由紀男君)

 指導の具体的な内容につきましては、本年5月、文部科学省の熱中症事故の防止の依頼文、また7月にも文部科学省の事務連絡等の文書を受けまして、気温、湿度等の環境条件に配慮した運動の実践、こまめに水分補給や塩分を補給し、適宜休憩をとること、児童生徒の健康観察を行うなど、健康管理を徹底することで熱中症予防のための万全の対策を行っているところでございます。熱中症の疑いのある症状が見られた場合には、早期に水分や塩分の補給、体温の冷却、医療機関への搬送等、適切な応急手当を講じるよう、各学校に指導したところでございます。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 わかりました。

 次に、ブロック塀の対策について伺っていきたいと思います。時間の限りですね。早急にブロック塀の撤去、改修工事を行っていきますということでありましたが、早急という言葉を聞いてしまうと、来年度までにというと、なかなか市民の皆様方と理解にそごが生じるんじゃないかという気がいたします。

 それを思うと、県については補正予算で9月議会において、総額83億3,300万円の補正予算を上げて、そしてブロック塀の改修、撤去に臨むんだという強い意思を既に示そうとしているわけです。13日から開会する予定ですけれども。それを思うと、我が市においても、この9月議会において、補正予算において対応して、そして早急に実施に改修に向けて児童生徒の安心・安全を守っていくんだという意思を示せたんじゃないかという気がするんですが、補正対応できなかった理由についてお伺いしたいと思います。


○伊藤竹夫議長

 宮崎教育部長。

◎教育部長(宮崎由紀男君)

 ブロック塀の対応につきましては、児童生徒の安全を第一に塀の撤去を進めております。残りの塀につきましても、先ほどの答弁にありましたけれども、卒業記念品であることなど、関係者との調整が済み次第、本年度の予算において撤去を行い安全を図ってまいります。撤去後の改修につきましては、撤去後の応急措置による安全対策を行うとともに、改修等の施設の状況に応じて本年度及び来年度の予算での対応を考えております。したがいまして、撤去等安全の確保につきましては、現予算で対応が可能だというふうに考えております。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 了解しました。そうしたら、この児童生徒に対しての、この発達段階や状況に応じて安全指導を行っているということでありました。今回のこの大阪の北部地震を受けて、安全指導についてどのようなことが行われたのかについて、簡単に伺います。


○伊藤竹夫議長

 宮崎教育部長。

◎教育部長(宮崎由紀男君)

 学校では、児童生徒に対し大規模地震を想定した安全教育として、地震発生時には落ちてこない、倒れてこない、移動してこない場所に素早く身を寄せて安全確保をすること。特に、建物やブロック塀等、倒壊のおそれのある場所から離れることを指導しております。また、地震発生時の具体的な対応だけでなく、教育委員会から学校に配付した資料を使用し、地震に備え通学路や家の中における日常的な安全確保の方法や家族との連絡の仕方、避難場所の確認などの安全指導を行っております。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 このブロック塀については、この後も鬼澤議員、そして一山議員、そして荒川議員と3名がブロック塀についても取り上げられるので、私からは最後に1個だけちょっとお伺いできればというふうに思うんですが、助成制度、これについては首長の市長の意思以外ないんだろうという気がしております。

 答弁において、今後その制度の内容等について、他市の状況を確認し調査研究ということで、なかなか先が見えないというような答弁に終始しているわけなんですけれども、既に県内の自治体でも今回の事案を受けて、迅速に動かれたというような自治体が出てきている。そうした中において、我が市においては、なかなかそういった動きというのが出てこないということなんですけれども、改めて今後この助成制度について、検討していく余地があるのかということと、今後、今後ということで答弁が繰り返されているんですが、今後というのはいつを指しているのか。助成制度を実施するか否かの可否の検討は、いつまでに行うのか。このあたりについてお伺いできればと思います。


○伊藤竹夫議長

 後藤土木部長。

◎土木部長(後藤行也君)

 助成制度につきましては、議員のほうから野田市のほうの安全診断のほうの助成制度の話がありましたけれども、こちらにつきましては、診断につきましては、あえて建築士にお願いしなくても、市の職員の中で建築資格、もしくはブロック等の安全確認はできる資格を持っている技術職員がおりますので、そちらのほうの者が相談を受けたら、即時その方のお宅に行って確認しておりますので、まず安全診断につきましての助成制度については、今の時点では考えておりません。

 ただ、危険なブロック等の除去等がある可能性もあります。その場合につきましては、これまでにも21件の相談を受けておりまして、そのうち7件の方については、みずから自分でそのブロックに対して除去、または補修をするということで、検討するというご回答をいただいております。また、ほかの方につきましても、どなたにその辺の見積もりをとったらいいかとか、その辺のお話を伺っていますので、少しその辺の様子を見まして対応していきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。


○伊藤竹夫議長

 雨宮議員。

◆雨宮 真吾

 相談に対しては、鋭意丁寧に対応していただけているということで理解いたしました。ただ、よりスピーディーに物事を進めていくということを思えば、やはり助成制度をつくって、個人宅の方々のものを、ご自身で直しやすい環境を整備してあげるというのも、市のサービスとしては必要になってくるんだろうというふうにも思います。ですので、このあたりも踏まえて、ぜひ今後、制度のあり方についても検討していただきたいと要請いたしまして、私の質問を終わります。

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