【成田空港】「強制収用」という言葉の誤解を解く― 土地収用と行政代執行の違い ―
みなさんこんにちは、千葉県議会議員の雨宮しんごです。
先日、成田空港の用地取得を巡り、「土地収用法」の適用を含めた検討状況についてお伝えしました。
その後の報道や議論を見ていて、私自身、強い懸念を抱いていることがあります。
それは、「強制収用」「土地収用」「行政代執行」といった言葉が、それぞれの意味や制度上の位置づけを整理されないまま、混同して使われているという点です。
言葉の使い方ひとつで、受け止め方は大きく変わります。

1.「強制収用」という法律用語は存在しない
まず、正確にお伝えしなければならない点があります。
現行の法令上、「強制収用」という用語は存在しません。
一般に使われる「強制収用」という言葉は、
- 土地収用法に基づく「土地収用」
- 行政上の強制措置である「行政代執行」
これらが混同された、いわば俗称です。
この言葉から、1971年に起きた激しい衝突を連想される方も少なくないと思います。ですが、現在、成田国際空港株式会社(NAA)が制度上の選択肢として整理しているのは、当時の出来事とは異なる段階の手続きです。
2.「土地収用」は法に基づく手続き
現在議論されているのは、土地収用法に基づく正式な制度手続きです。
土地収用とは、事業の公益性が国により認定された上で、第三者機関である収用委員会が、
- 補償額
- 明け渡しの時期
などを、法律と基準に基づいて判断・決定する仕組みです。
これは、事業者が一方的に土地を取り上げる制度ではありません。「正当な補償」を前提とした、法治国家としての手続きであることを、冷静に理解する必要があります。
3.「行政代執行」は制度上、全く別の段階
一方で、よく混同される「行政代執行」は、土地収用の手続きがすべて完了し、
- 補償金の支払いが済み
- 明け渡し期限が設定された後
それでもなお、履行されない場合に限り、最終手段として行われる物理的な強制措置です。
1971年に発生した衝突は、まさにこの行政代執行という段階において起きたものです。
歴史的事実として、これは否定されるものではありません。
ただし、現在進められようとしている土地収用の手続きは、その最終段階とは制度上の位置づけが大きく異なります。両者を同一視することは、制度理解として正確ではありません。
冷静な議論のために
成田空港には重い歴史があります。だからこそ、感情論だけで語るのではなく、制度と事実を正確に把握した上で、冷静に議論することが必要だとおもいます。
NAAは現在も、任意交渉を重ねています。
私自身も、一人ひとりの事情に寄り添うことができる任意交渉の段階で、丁寧な対話が積み重ねられることが重要だと考えています。
「強制」という言葉で不安を煽るのではなく、法に基づいた適切なプロセスであることを正しく伝え、
地域との共生を目指していたいと思います。
動画で、詳しく解説しています。あわせてご覧いただければ幸いです。
【あましんチャンネル】
千葉県議会議員
雨宮 しんご
Shingo Amamiya
- 昭和53年(1978年) 10月31日生 血液型/B型(さそり座)
- はくと幼稚園・成田市立吾妻小学校
- 吾妻中学校・平成3年「少年の翼に入団」中国国際交流
- 千葉県立富里高等学校
- ニュージーランドPapakura High Schoolへ1年間留学
- 高千穂商科大学・明治大学公共政策大学院(修士)
- 成田市議会議員 4期
- 第41代 成田市議会議長
- 第17代 関東若手市議会議員の会 会長
- 第33代 成田商工会議所青年部 会長
- 成田青年会議所OB
- 成田ライオンズクラブ
- 千葉県中小企業家同友会東総支部
- 千葉県富里高等学校同窓会 会長
- 中学校PTA会長
- 日本サーフィン連盟公認インストラクター
- 海上安全指導員
- ※歴任を含む