県議会行政調査inドイツ・オランダ ③
おはようございます☀
フランクフルトは現在、22:30です。
今日はオランダ アムステルダム市内を視察しました。
❶ 在蘭日本商工会議所
在蘭日本商工会議所(JCC)の視察では、オランダ進出日系企業の支援策や直面する課題についての理解を深めました。JCCは日本とオランダの経済関係促進を目的に、非営利活動として情報提供や広報活動、日本人会のような役割を担っています。
オランダへの日系進出企業が多い背景には、行政支援が充実していて労働ビザの取得や給与所得の30%が非課税となる税制優遇策、また地理的優位性からEUの物流ハブとなっていることなどが挙げられました。
一方で、昨今のロシア・ウクライナ戦争の影響でエネルギー価格の高騰や物流の混乱が見られること、オランダ人労働者の雇用と育成における文化的差異や、高い離職率への対応などといった課題もあり、各企業は現地適応型研修プログラムや柔軟な労働環境の整備が必要とのことでした。
さらに、オランダのサーキュラーエコノミー推進に伴い、技術的な参入障壁が高くなること、また規格変更される度に都度コストが生じる他、エネルギーコストの高騰もあるため、現地に応じた工夫が求めらるようです。
こうしたサポートも担うJCCの取り組みは進出企業にはとても有意義ですが、県行政としても日本企業がグローバル市場で持続的に成長するための支援施策を強化することの必要性を痛感しました。
❷ アムステルダム港
次に訪れたアムステルダム港の視察では、水素関連の取り組みの全体像と再生可能エネルギーの概況を伺いました。
欧州における水素サプライチェーンのハブを目指すオランダでは、水素製造工場などのインフラの整備計画が相次いで進行していて、同港でも洋上風力発電による水素の製造と海外からのグリーン水素の調達が進められています。
オランダは現在、欧州で2番目に大きな水素生産国であり、官民によるさまざまな計画や投資が進行していますが、水素の効果的なエネルギー利用には化学的・技術的な課題も残されていることから、オランダ政府とEUから技術開発補助やインフラ整備の資金援助を受けながら推進されているとのことでした。
千葉県の臨海工業地帯との比較からも、取り組みを進めるべき点が多いことを認識しました。特に、エネルギーの地産地消モデルやマイクログリッドの導入については多くの刺激を受けました。今後の千葉県のエネルギー政策に活かしていきたいと思います。
❸ JETROアムステルダム事務所
次にJETROアムステルダム事務所を訪れ、オランダの再生可能エネルギー施策を学びました。オランダは洋上風力発電も推進していて、設置場所の選定や規制の撤廃、低騒音対策などが行われています。
また、フローニンゲン・ガス田の段階的閉鎖後の代替エネルギーとしての水素戦略についても伺いました。
オランダの再エネ施策は、バイオマス発電も積極的に推進され、農業廃棄物を利用しているようです。千葉県でも再エネ導入の参考となる施策として、マイクログリッドの導入やバイオマス発電の活用が考えられます。
特に、オランダが進めるサーキュラーエコノミーの取り組みは、地域資源を活用したエネルギー自給モデルとして千葉県でも取り入れる価値があるかもしれません。千葉県のエネルギー施策を推進するためのアイデアを得ることができました。
❹ 中部電力
最後に中部電力からオランダにおける再生可能エネルギー事業への取り組みを学びました。ご多用にも快く引き受けて頂いた伊藤取締役に感謝します。
同社はオランダの洋上風力発電プロジェクトに参画していることもあり、生態系保護や低騒音技術の導入など、環境に配慮した事業経営を心掛けています。
洋上風力発電のノウハウは、陸上風力発電にも応用可能とのことで、千葉県の再エネ施策に有用な示唆を得ました。特に、風力発電の設置場所選定や規制緩和、低音対策の具体例は、千葉県でも参考にできる部分が多くあります。
また、マイクログリッド導入による地域エネルギーの自給自足モデルは、災害対策としても期待できることから理解促進が急務だと感じました。
将来的には、風力発電と観光誘致の連携や、災害時の迅速な復旧体制の確立が不可欠になると思います。
今視察を通じ、再生エネルギーの導入と地域経済の発展を両立するための多くの知見を得ることができました。
視察終了後はオランダを後にし、ドイツ フランクフルトへ移動。20:00過ぎに夕食を摂ることが出来ました。
体力的にもさすがに疲れが出てきていますが、明日が視察最終日となります。
精力的に学び、多くを吸収していきたいと思います。
千葉県議会議員
雨宮 しんご
Shingo Amamiya
- 昭和53年(1978年) 10月31日生 血液型/B型(さそり座)
- はくと幼稚園・成田市立吾妻小学校
- 吾妻中学校・平成3年「少年の翼に入団」中国国際交流
- 千葉県立富里高等学校
- ニュージーランドPapakura High Schoolへ1年間留学
- 高千穂商科大学・明治大学公共政策大学院(修士)
- 成田市議会議員 4期
- 第41代 成田市議会議長
- 第17代 関東若手市議会議員の会 会長
- 第33代 成田商工会議所青年部 会長
- 成田青年会議所OB
- 千葉県中小企業家同友会東総支部
- 千葉県富里高等学校同窓会 会長
- 中学校PTA会長
- 日本サーフィン連盟公認インストラクター
- 海上安全指導員
- ※歴任を含む