医師の地域偏在解消への試金石!?医学部の地域枠対象者を地元出身者に限定へ!
みなさんこんにちは、成田市議会議員の雨宮しんごです。
このニュース。
実現となれば、千葉県にとって、そして国際医療福祉大学医学部がある成田市にとっては歓迎できそうです。
「医師の偏在解消へ地元出身者支援 医学部の地域枠、対象限定」
https://this.kiji.is/261395158876454913?c=39546741839462401
医師の地域偏在解消に向け、厚生労働省が、大学医学部に設けている現行の「地域枠」について、対象を地元出身者に限定するよう、財源負担などで制度を運用する各都道府県に要請する方針を固めたことが22日、分かった。
原則として出身県の医学部に通い、卒業後も一定期間、周辺地域の医療機関で働く人であれば、奨学金の返済免除などの支援を行う。地元出身者は地域への定着率が高いとの調査結果もあり、医師不足に悩む地域への対応として注目される。
厚労省は今月末に都道府県に通知し、2018年度には地元出身者に限定した運用をスタートさせたい意向だ。 (共同通信)
地域枠は、医学部卒業後に周辺地域で勤務することを条件に奨学金を出したり、その費用を免除する制度になります。
ちなみに千葉県は以下のような制度になっています。
「千葉県医師修学資金貸付制度」
https://www.pref.chiba.lg.jp/iryou/ishi/ishikakuho/gakusei/kashitsuke.html#syousai
千葉県では、医学を学ぶ大学生の方を対象に、将来、千葉県で医師として働いていただくことを目的とした修学資金貸付制度を実施しています。
貸付コースには、千葉県外の大学医学部に在籍している千葉県出身者を対象とした「ふるさと医師支援コース」と、千葉大学、順天堂大学、日本医科大学、帝京大学、東邦大学の医学生を対象とした「長期支援コース」があります。
この修学資金は、医師免許取得後に一定期間、千葉県内の医療機関に勤務していただいた場合、その返還が全額免除になります。
■利用状況 平成28年度 36名
(千葉大18名、順天堂大4名、日本医科大4名、帝京大5名、東邦大5名)
千葉県の制度もそうですが、県が指定する対象大学に入っていれば地元出身者にかかわらず、制度を利用できるようになっていて、そのため卒業生の中には条件を守らず大都市圏での勤務を選ぶ人もいるようです。
詳報では、厚労省や文部科学省の調査では、地域枠を16年度に全国71の国公私大が導入していて、地域枠を活用した入学定員は医学部全体の約5分の1となる計1617人となっており、そのうち約半数の783人分を都道府県や各大学が独自に近隣地域の出身者を対象としているようです。
また、医学部卒業後に実施される臨床研修の修了者に対する調査を実施したところ、地域枠で入学した人で医学部の立地地域で勤務先を選び、定着した割合は68%となり、それに対し、地域枠も含めた地元出身者の場合は、定着率が78%にまで上昇することが確認されたとのことです。
千葉県の医師不足は過去にもここでお伝えしたことがありますが、その原因の一つに、医師の地域偏重があります。
そこで医師会は「だったら、その医師を各地域へと送り込んで地域ごとに平準化を図ればいいじゃないか。」といった趣旨の発言を繰り返されています。
ですが、仮に強制的に田舎へ赴任させても、強制された年限が終われば都会へと戻ることは想像に難くなく、わたしは、不足する地域に医師を強制的に割り振るような政策は現実的ではないと思っています。
そして、医師不足のなかでも絶対数が足りていないのは若手の「勤務医」だったりします。
勤務医は、重症患者を診ることができるため勉強になる反面、当直や夜間労働、長時間勤務を強いられるなど厳しい労働環境にありながら、開業医に比べて報酬が少なく、離職者も多いと勤務医の仲間から聞いています。
勤務医が働きやすい環境整備に加え、診療報酬のあり方についても早期に再考すべきことは言うまでもありません。
「医師不足」、そのなかでも勤務医不足の解消には、様々な視点からの地道な改善が必要ですが、まずはそもそも足りていない地域に医師の定着を図ろうとする今回の政策は歓迎すべきだと思います。
わたしとしては、今年度に医学部が開学、2020年には附属病院が開学するこの成田地域にしっかりと医師が定着し、地域医療の充実が図られるよう今後も努力したいと思います。
それではまた明日。
千葉県議会議員
雨宮 しんご
Shingo Amamiya
- 昭和53年(1978年) 10月31日生 血液型/B型(さそり座)
- はくと幼稚園・成田市立吾妻小学校
- 吾妻中学校・平成3年「少年の翼に入団」中国国際交流
- 千葉県立富里高等学校
- ニュージーランドPapakura High Schoolへ1年間留学
- 高千穂商科大学・明治大学公共政策大学院(修士)
- 成田市議会議員 4期
- 第41代 成田市議会議長
- 第17代 関東若手市議会議員の会 会長
- 第33代 成田商工会議所青年部 会長
- 成田青年会議所OB
- 千葉県中小企業家同友会東総支部
- 千葉県富里高等学校同窓会 会長
- 中学校PTA会長
- 日本サーフィン連盟公認インストラクター
- 海上安全指導員
- ※歴任を含む