千葉県知事 熊谷俊人 千葉県議会議員 雨宮しんご

日本の課題
一番最初に解決する千葉県でありたい

同年同期の盟友である
熊谷俊人千葉県知事をスペシャルゲストに迎え
「千葉県から拓く成田新時代!」をテーマに
トークセッションを開催!

雨宮: 熊谷知事、公務お忙しいなか成田にお越しいただき本当にありがとうございます。今日はよろしくお願いします。

熊谷: 雨宮県議とのセッションはわたしも楽しみにしていました。こちらこそよろしくお願いします。

雨宮: 午前中は公務で成田市に入っていたと伺いました。(5月11日)

熊谷: はい、実は斉藤国土交通大臣に成田にお越しいただき、北千葉道路の成田区間の早期全開通に向けて予算面など力強くバックアップしていただきたいと要望させていただきました。

雨宮: ありがとうございます。私の一般質問でも取り上げましたが北千葉道路は長年待ち望まれている道路です。知事がこうして現地に足を運ばれリーダーシップを発揮していただけるのは大変に心強いです。引き続き早期開通に向けてご尽力宜しくお願いします。

熊谷: はい。アジアの諸空港は凄まじい勢いで拡充が進んでおり、道路・鉄道のアクセス、周辺の産業拠点整備などが国家プロジェクトとして進められています。成田空港と東京都心を最短距離で結ぶ北千葉道路は、渋滞緩和はもとより、国際競争力の強化や災害時の緊急輸送道路の強化に繋がる重要な道路です。 引き続き関係者と早期開通を国に求めるとともに、国に最大限協力していきます。

雨宮: 一緒に仕事をさせていただいて感じるのは知事のフットワークの軽さです。千葉県の政治がこんなにも躍動していることを感じ、私も充実しています。
そんな熊谷知事は、実は私と同年同期、自治体は違いますが当選時期が一緒で、全国若手議員の会でもご一緒でしたよね。それがその2年後には千葉市長になられ、今は知事としてご活躍です。市長から知事に就任されて大きく視点が変わったことなどはございますか。

熊谷: やはり千葉県は広いな、というのが実感です。千葉市も幕張のような地区もあれば、緑区・若葉区のような田園地帯もあるのですが、やはり千葉県は埼玉や神奈川よりもはるかに広く、成田も含め本当にいろいろな地域があるので、各地域に訪れ、地域ごとの政策を考えていくのは楽しいですし、やりがいを感じています。

雨宮: 共感します。私は学生時代から千葉の海でサーフィンをしているのですが、千葉県に海があるとわかっていながらも、県議会議員になるまでなかなか海洋政策への理解を深めることができませんでした。そういった意味では、あらためて広い視野に立つことができ地元成田市を俯瞰できるようになったと感じています。

熊谷: わたしも俯瞰で見ることはとても大切にしています。千葉県は三方を海に囲まれた海洋県でもあります。なによりオリンピックで史上初めてサーフィンを開催をした地域であります。共に「千波県」を盛り上げていきましょう!

千葉の魅力について

雨宮: ご来場のみなさんが改めて千葉県を考えるきっかけになればと思い、少し大局的なことを伺います。三方海に囲まれている千葉県ですが、あらためて「千葉の魅力」はどこにあるとお考えですか?

熊谷: 千葉の凄いところは、東京の隣で、商業も工業も日本を代表する県というところです。農業は全国で4位、漁業は7位。実は、商業、工業、農業、漁業、すべてが全国トップ10に入っている県というのは、日本中探してもこの千葉県だけです。日本のすべてがこの県には詰まっていると言ってもいいでしょう。そのような環境なので、日本の政策が、すべてこの千葉県で実行できてしまえるところが魅力的だと感じています。日本のよいところを知り、また、日本の課題を一番最初に解決する千葉県でありたいと思っています。

雨宮: 「日本の課題を一番最初に解決する千葉県」素晴らしい政治姿勢であり、私も微力を尽くしたいと思います。
さて、千葉県の魅力をお話しいただきましたが、千葉県政と向き合う中で様々な課題の先に、さらなる成長の可能性を見出されているのかと思います。その辺りについてお伺いしたいと思います。

熊谷: 千葉県は今、非常に大きな変化のタイミングにあります。まず一つが、2026年度で全線開通する圏央道です。この千葉県の中心、チーバくんで置き換えるとちょうど背骨にあたる部分を貫く高速道路軸がまもなく完成します。
また、この圏央道につながる形で、千葉県の各地域を結ぶ道路が作られています。圏央道の全線開通によって、この背骨と肋骨がそれぞれ機能していく、数十年にわたる流れの中、もう少しでそのタイミングを迎えようとしています。

雨宮: 圏央道は千葉県のみならず首都圏の各都市などを環状につなぐことから、まさに地方創生を実現する上で極めて重要な道路ですよね。

熊谷: はい。そして、もうひとつはカーボンニュートラルの流れです。日常生活でカーボンニュートラルを実感されることはあまりないかもしれませんが、千葉県にある京葉臨海コンビナート地帯、ここがカーボンニュートラルに非常に関係があります。 京葉臨海コンビナート地帯には、日本製鉄とJFEという日本を代表する鉄鋼2社がありますが、これからは、いかに製造過程でCO2を出さずに鉄を作っていくか、ということが世界的に求められています。千葉県の製造品出荷額の実に半分以上は、この京葉臨海コンビナートで占められており、みなさんの福祉を支えている税収も、このコンビナートから主に生まれています。
ですから、この京葉臨海コンビナートがカーボンニュートラルの時代にどう対応するのか、ということが、千葉県の将来にとって非常に重要になります。数十年に一度の大きな変化は、チャンスとも捉えられます。このチャンスを掴むことによって、千葉県の経済や福祉をさらに向上させることができる、大きなタイミングと感じています。

雨宮: 環境問題、カーボンニュートラルに取り組まれる企業を、千葉県が積極的に支援していくことが結果として税収増にもつながり県民福祉の向上につながっていくということですね。

熊谷: はい。そこで私は各コンビナートの会社を自ら訪問し、県でカーボンニュートラル推進協議会という団体をつくりました。個社ごとで対応するのではなく、県が間に入って、一帯で生き残るための方法をコーディネートしていきます。
たとえば、パイプラインでつなげられるコンビナートの利点を生かし、CO2削減に必要なアンモニア、水素等を輸入したら、それをパイプライン経由で他の工場も使えるようにします。こうして、コンビナート全体で競争力を上げていく。
こうした議論を今私たちが一社一社訪問しながら調整し、いま実現しようとしているところです。

雨宮: そうですよね。政府も2050年までに温室効果ガスの排出ゼロ、カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しています。また、温室効果ガス削減目標では、2030年度において、2013年度から46%削減すると宣言しています。
それに先んじた知事の取り組みを私も支援します。
まさに今千葉県が取り組んでいる道路交通インフラ、そして環境政策、カーボンニュートラルへの取り組みについて伺いました。ありがとうございます。

教育について

雨宮: 続いて教育について。日本は先進国ですが、いじめ、引きこもり、詰め込み教育、学力低下、家庭の貧困による教育格差など様々な問題を抱えています。 千葉県教育について力点を置かれているところなどをお聞かせください。

熊谷: 県議会において不登校を支援する条例を制定していただきましたが、県としても不登校対策には特に力を入れています。今までは少し県教育行政から距離のあったフリースクールに対して金銭的な部分、人的な部分含め、どのように支援していくかを議論しています。
また、不登校を生み出さない仕組みとして、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの増員など、問題が大きくなる前にしっかりケアをしていくことを大切にしています。
県立高校では、相談のハードルを下げ、福祉のスタッフとお菓子など食べながら気軽に話せる、そして何気ない会話の中から、必要に応じて支援機関につなげていける、相談カフェのようなモデルも増やしています。
こうした取り組みをいくつも重ねながら、不登校対策をしっかりやっていきたいと思っています。

雨宮: 県議会での条例制定を受けて速やかに予算化、具体的な施策を展開されていることに感謝します。いま教育現場でもIT化がどんどん進んでいます。不登校児童生徒への支援として、ストリーミング配信といった取り組みが必要ですよね。

熊谷: はい。オンライン教育は非常に重要だと考えています。この部分については県も予算を投入して、どんな状況でも一定の教育が受けられる環境を作っていくために、我々としても、しっかりやっていきたいと思っています。

雨宮: ありがとうございます。他にも、県の新たな取り組みとして、塾講師による学校授業が流山市で試験的に行われています。こちらはどういった経緯で始まったのでしょうか。

熊谷: 授業力を向上させていく取り組みの中で、多様な人たちが学校現場に入っていくことが重要だと考えています。担任の先生だけではなく、専門性を持った教科担当を教育現場に入れていく取り組みの一環で、塾講師にもお願いしました。実際やってみると、教員、塾講師それぞれの良いところが見えてきます。
授業力といった点では、塾講師が得意とする部分がたくさんある一方、苦手な子を含めて、時間をかけて全員をカバーするといった点は教員の長所が生かせます。この双方の良さを総括し、他の教員がそれぞれ参考にしていくことをねらいのひとつとして、私たちは意識しています。

雨宮: まさに子どもに寄り添った施策支援だと思います。余談ですが成田市にいた時は、千葉県がどのような想いや考えを持って教育の充実を図っていくのかがなかなか見えていなかったのですが、子育てや子どもたちの教育に、知事が本気で力を入れている姿勢が、予算の割り振りからも伝わっています。

熊谷: そうですね。こんなに教育に予算かけていいんですか、と財政からはいつも言われています(笑)。
教育はすぐに効果がでなくても、必ず5年後10年後20年後には意味を持ってきますから、ここはしっかりとお金をかけるべきだと考えています。

雨宮: 賛同します。引き続き宜しくお願い致します。また、教育・子育て支援策については、知事が東京都との格差是正を求めた動きが、つい先日ニュースになっていましたね。

熊谷: そうなんです。東京都が実施する高校授業料無償化や月5千円給付について、東京都と千葉・埼玉・神奈川の3県ではあまりに財政力に格差があり実現できません。 そこで国に対し、居住する地域にとらわれない子ども施策の実現と税源の偏在是正を求めました。ですが、だからといって教育や子育ての充実を諦めるわけにはいきません。
代わりに、教員の質の向上や、教員を支えるスタッフの増員などに予算をかけています。わかりやすい直接給付は難しくても、こうしてやり方を工夫していくのが、税金を預かる側の立場であると考えています。

雨宮: 住む地域によって教育支援格差が生じることはあってはならないと思います。子育て・教育政策に限りませんが今後も首都圏の取り組みを注視、時には連携しながら国に対しても適宜、千葉県としての主張をお願いいたします。

防災について

雨宮: 千葉県の年間予算は大体2兆2000億円ですが、今年度予算編成において思い入れの強い施策について教えていただけますか。

熊谷: 特筆するのであれば防災です。千葉県政に何を望むか県民アンケートを毎年実施しているのですが、1位は常に「災害から県民を守ってほしい」です。県民の思いはここに尽きるわけで、災害があった時に県民を守るというのが、県政の一番大事なポイントだと思っています。そのため、なかなか成果としては見えにくいかもしれませんが河川整備など防災インフラ整備を着実に推進しています。
また、災害をすべて防ぐことは不可能なので、たとえば河川が氾濫しそうになった時すぐにアラートが出せるよう、危機管理型の水位計をあらゆる河川に配備し避難勧告や指示を適切・スピーディーに行えるようにするなど、こうした備えを進めています。
また、発災時、県と市の連携が重要なのは市長経験からも実感としてありますが、この時大切なのは、どちらが歩み寄るべきかという点です。これは県であるべきです。災害で壊滅的なダメージを受けると、市は県に、どういう状態でどういう支援が必要かを伝えることすら困難な状態になります。そうした時、市町村が要請する前に県が自ら現地に赴き、どういう状況かを確認してプッシュ型で支援をしていかなければならない。そう考えています。
5年前、令和元年房総半島台風の時は、県の対応が十分ではありませんでした。その総括をふまえ、私は災害が起きたら、必ずそこの市長に電話を入れ、何に困っているのか、こちらからニーズを把握して支援をしていきます。

雨宮: 市町村へのプッシュ型の支援、県のあるべき姿だと思います。そういえば能登半島地震の時も、知事はタイミングを見計らい、すぐ現地に赴かれていましたが、そこで得られた教訓などがあれば教えてください。

熊谷: わたしは、大規模災害発生時は必ず現地に行くか、もしくは現地で指揮した首長などから教訓を直接受け止めるようにしています。
今回能登半島の地震で実感したのは、孤立した集落への対策をどうするかという点です。大規模災害発生時、避難所各所に行政職員を配置していくと全体の災害対応まで手が回らなくなります。そうならないよう、大規模災害時は、地域コミュニティなり他県から応援に来てくれた職員に避難所を管理運営してもらい、その市の職員でしかできないことをしっかりと市役所内でやってもらう体制にしなければなりません。そのためには平時から、避難所をどういった災害の時にどう管理するのかといったルールを決めておく必要があります。

雨宮: まさに「備えあれば憂いなし」ですが、何に備えるべきかの判断をするためにも、現場に行かれるのですね。特に今回については、千葉県も同じ半島といった意味では、能登半島と同じような問題が起こりうるのではないでしょうか。

熊谷: その通りです。ですので、私たちはいま市町村に対して、平時から避難所の運営体制について今一度考えていただきたいということをお願いしています。
それから、私たちは避難所や地域の集会所に備蓄される物資に対しての支援も考えています。仮に孤立化しても一定期間耐えられるような備蓄や備えをする場合に、県市共同で補助・支援をするようなプログラムの制度設計を、今急いでつくっているところです。

雨宮: 災害はいつ起こるかわからないからこそ、あらゆる想定をしながら検討し備えていくことが大切ですね。ありがとうございます。

成田空港機能強化について

雨宮: それでは私の地元成田のことについても意見を交わさせていただきたいと思います。まず千葉県における「成田」の位置付けを、知事どのようにお考えでしょうか。

熊谷: 千葉県にとって成田地域は、生命線であり宝だと思っています。成田と成田空港が、いかに周辺地域も支えられる充実した政策を打てるか、これは県の責任だと考えています。

雨宮: 大変心強いです。成田空港は今、3本目滑走路の新設などさらなる機能強化が進んでいますが、県としてどのようにコミットしていこうとお考えでしょうか。

熊谷: 成田空港は2029年を目指して、新しい滑走路や第二滑走路の延伸も含めた機能強化が予定されています。空港の面積が2倍になる。まさに成田空港第二の開港と言えるくらいの出来事です。年間発着数が30万回から50万回になったり、雇用も1.5倍になるなど、本当に大きなタイミングが来ます。
その時に、空港だけ充実して、地域に実感がなければ意味がありません。重要なのは、これだけの重要なアジアを代表する空港の周辺に、もっと働く場所を作っていくことだと思います。
いま、日本の国際貨物の6割以上が成田空港に集積され、アジアを代表する国際物流拠点になっています。世界につながる国際物流拠点と、その物流拠点の存在ゆえに可能となる様々な産業団地を作り、この成田で働くことができる。そして働く方々が、地域の活性化をまた支えていく。こうした好循環を生み出していくのが我々の戦略です。

雨宮: 知事、ぜひ実現しましょう!まさに今千葉県は、地域未来投資促進法を活用して、多古町に大きな国際航空物流施設、そして成田でもヒューリックが大型物流拠点を計画するなど、様々な取り組みがなされています。今後の展開はどのようにお考えですか。

熊谷: 成田空港周辺の限定されたエリアにおいて、たとえ農地であっても、国際物流拠点を作る際には比較的土地の転用をしやすくするといった規制緩和を国から認めていただき、先ほど雨宮さんがおっしゃった2つの大きなプロジェクトが動き出しています。
また、国際物流拠点だけではなく、たとえば半導体製造装置や医薬品といった、世界的に求められる産業・業種においても規制緩和の適用をしてもらいたいという要望をもって、国との交渉に臨んでいきます。

雨宮: そうなると、今後、通関規制や関税に対する優遇措置を受けられる自由貿易地域(フリートレードゾーン)が不可欠だと思いますが、どうでしょうか。

熊谷: それも一案だと思います。アジアの空港を見ていただけば分かると思いますが、仁川国際空港、シンガポールのチャンギ国際空港、台湾の桃園国際空港など、今や各国の第一空港・国際空港周辺は、国家が意識的に産業拠点を形成しています。
例えばオランダであれば空港周辺に農業、千葉県と同じような花を育てて、空港から新鮮な状態で輸出するといったこともしています。
成田空港周辺には、こうした可能性がまだまだあります。成田空港開港の経緯上、どうしてもこのような取り組みができなかった時代もありましたが、地域の方々のご理解の元でここまで来ました。成田空港を受け入れてよかったと地域の皆さまに思っていただけるような政策を、国と県、市町が連携して実施するタイミングに、いよいよ入ってきていると思っています。

雨宮: 成田空港の周辺って空いている土地がたくさんあるんだからどんどん開発を進めればいいじゃないと思われる方も多いと思います。ですが、今知事がしゃったように、農地の開発には乗り越えるべき規制が多く容易ではありません。
ただ、成田には荒廃農地が県内ワーストの約800ヘクタールあります。このような土地をうまく利活用しながら空港周辺の開発を進めていくことが今後求められから、知事とタッグを組んで空港周辺の活性化向取り組んでいきたいと思います。

農業について

雨宮: 知事から先ほど少し農作物についてのお話がありましたので、農業についても触れさせてください。千県は有数の農業県ですから、国内市場だけではなく新市場を活用して農作物を速やかに海外に輸出していく体制がこれからの課題になってくると思います。その取り組みについて伺えればと思います。

熊谷: 成田空港があるというのは本当に恵まれています。そして、近くには新市場があり、輸出の際は、様々な手続きをある程度ワンストップでできる。こうした恵まれた環境にありますので、これから空港周辺で新鮮なものをすぐに輸出できるようにしていかなければなと思っています。
そためには、それぞれの国ごとにどのようなニーズがあるのか、空輸に適した果物や野菜は何か、また輸出農薬基準はどうなのか、こうした事柄をしっかり分析をする必要があります。最初から輸出を前提にし農作物を作っていただき、新鮮な状態で輸出する、こうした戦略が必要になってきます。
成田空巷周辺で高度な農業を作っておけば、仮に世界食糧危機や紛争等で我が国に食糧が必要となった時、輸出していたものを切り替えることが可能になります。
日本の人口減少にともない農業の需要も減っていく中、食糧危機の際には食料安全保障の問題が出てきます。輸出をすることでニーズを作り出し、いざという時にそれらを国民、県民のために使えるような体制を整えておく、といったことを我々は意識していかなければならないと思っています。

雨宮: これからの農業は、まさに攻めの農業。千葉県も「稼げる農業づくり」を掲げて取り組まれています。ぜひ成田を拠点として海外にもどんどん輸出を強化していければと考えます。
知事自らが台湾桃園にトップセールスに行かれいかがでしたか。

熊谷: 台湾は日本の農作物、日本ブランドが強いです。
親日国ということもあり、果物ひとつとっても、日本産のが非常に高い値段で取引されています。
今まで原発事故の影響で台湾に輸出できなかったのですが、現在の台湾の政権のもと、それが緩和され、ようやく輸出ができるようになりました。千葉の梨やさつまいも等、評価していただいたので、これから着実に輸出できると考えていますし、アジアは非常に重要な成長マーケットだと思います。

雨宮: 成田新市場を活用した千葉県産農水産物の輸出拡大に向けて、知事には引き続き取り組みをお願い致します。

感染症対策について

雨宮: 昨年のコロナ5類移行からちょうど1年が経過し、インバウンドも旺盛になってきています。国際空港を抱え、空の玄関口として世界に開かれている一方、新興の感染症等に脅かされやすいのが成田の特性と考えています。先の一般質問においても、成田に環境衛生がしっかり整い、感染症対策ができるような衛生施設を作るべきではないかといったお話もさせていただきました。その辺りについての課題はどのようにお考えですか。

熊谷: コロナを経て、国でも感染症関連では様々な計画の見直しがされました。その際、我々千葉県から出した意見というのが、まさにこの水際対策についてです。水際対策について、国の責任でしっかりと強化してほしいと伝えました
水際対策を強くすればするほど、当然対策地の感染者数は増えます。そうなった場合、成田や千葉県の医師、そして医療資源が取られますので、当然ながら県民を診るリソースが減ってしまいます。ですから、水際対策をする際には、空港周辺に過重な負担がかからないよう、国の責任においてしっかりとプラスαの体制を築いておいてほしいということを我々は申し上げてきました。これからも成田空港を通ってお越しになる外国人の方はますます増えるわけですから、検疫等の対策は引き続き求め続けていきたいと思っています。

雨宮: ぜひお願いします。残念ながら今の国の検疫はイミグレーション(出入国管理)までです。また、体温計も通過する人を測定するだけで、ほぼ実効性はありません。そして一歩空港から外に出てくると、そこからはもう千葉県の役割になってしまいます。千葉県の具体的な一手、対策が不可欠だと思います。ここは今後も県議会において議員として知事と議論を深めていきたいと考えていますので宜しくお願い致します。

続きは…近日公開

千葉県知事 熊谷俊人

31歳で千葉市長に就任し、3期12年務めた後、2021年に千葉県知事に当選。政令指定都市では歴代最年少市長となり、SNSを活用した情報発信や、行政のデジタル化を推進するなど、先進的な取り組みで注目を集める。

詳しい県政活動はこちら あましんレポート
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