千葉県の農作物が食われ続けている。(有害鳥獣対策の現状とR8の取組) 2026.08.10
みなさんこんにちは、千葉県議会議員の雨宮しんごです。
令和7年度、千葉県内で有害鳥獣によって失われた農作物の被害額は3億6634万円に上りました。前年度よりも増加しており、残念ながら「歯止めがかかった」とは言えない状況が続いています。
● 最大の被害者はイノシシ
獣種別の被害額でトップはイノシシで、1億6982万円。前年度比で約2071万円の増加です。
令和7年度の1年間で捕獲されたイノシシは3万4561頭。前年度より9255頭も多く捕獲していながら、被害額は増えています。
つまり、捕まえても捕まえても追いつかない、というのが現実です。

特に被害が深刻なのは県南部で白井・いすみ・館山・鴨川・市原の5市では、それぞれ被害額が2000万円を超えています。水田に入り込んで稲を食べたり倒したりするなど、農家の方々の苦労は計り知れません。
● 急増する外来種「キョン」に要注意
もう一つ、注目しなければならないのが外来種の「キョン」です。
小型の鹿に似た動物で、もともと中国・台湾原産。千葉県では館山市の動物園から逃げ出したものが野生化し、今や県内全域に生息域を広げています。
令和7年度の推定生息数は約10万5700頭。前年度の約10万600頭からさらに増加しています。捕獲数も1万2116頭と増やしているにもかかわらず、生息数は増え続けているのです。
農作物被害額も2019年度から2023年度の間に約8倍に跳ね上がっており、今後さらに深刻化する恐れがあります。
● 深刻な「捕まえる人」の不足
被害が続く大きな要因の一つが、捕獲を担う人材の不足です。
千葉県内の狩猟免許所持者は、1978年度の約2万人をピークに、2024年度には約6963人まで落ち込みました。しかも高齢化が進んでおり、担い手の確保は待ったなしの課題です。
県南部でハンターとして活動する40代の女性は「キョンがあっという間に増え、駆除が追いつかない。アライグマも多く、駆除しても農業被害が減っている実感はない」と語っています。現場の声が、数字の深刻さを裏付けています。
● 令和8年度予算での対応
こうした状況を踏まえ、令和8年度当初予算案には以下の対策が盛り込まれました。
総額:約14億円(3事業合計)
主な内容は以下の通りです。
【捕獲の強化】
・キョンの捕獲補助単価を5000円→7000円に引き上げ
・市町村への捕獲助成(イノシシ・シカ・サル・キョン等)
・県による直接捕獲の実施
【農作物の防護】
・侵入防止柵の設置や捕獲機材購入への助成(3億4800万円)
【担い手の確保】
・千葉県有害鳥獣捕獲協力隊(1513万円)を活用し、免許を持ちながら活動していない「ペーパーハンター」の発掘・育成
【ジビエ活用(新規)】
・イノシシ肉処理加工施設への支援(260万円)を新たに計上
「守り(防護柵)」「攻め(捕獲)」「基盤(人材・施設)」の三段構えで取り組みを進めます。
残念ながら被害額は減らず、捕獲者は減り、外来種は増え続けている状況にあります。
この課題に向き合うには、予算の手当ても大切ですが、社会全体での意識の変化と担い手づくりが必要です。県議会議員として、現場の声を県政に届け、実効性のある対策が推進されるよう取り組んでまいります。
プロフィール
昭和53年(1978年) 10月31日生 血液型/B型(さそり座)
千葉県富里高等学校・高千穂商科大学・明治大学公共政策大学院(修士)
成田市議会議員 4期 / 第41代 成田市議会議長
2023年 千葉県議会選挙 初当選